NATION OF RHYTHM SLAVES
そんな音楽。
ジャケットだけ見れば、「あら、お洒落なポップス・アルバムかしらん」なんて思ってしまうかも。
確かに前半はそんな感じもしなくもないのですが、8曲目でとんでもない事が起こります。
大音量で聴くと心臓に悪いです。
相も変わらず、「良い・悪い」とかそんな概念を一切寄せ付けない一枚でした。
春待ち詩
比較的入手容易なカバー元の音源を下に書きます。
冬越え:細野晴臣「HOSONO HOUSE」
風は何も恐れはしない:杏「喫茶ロック ソニー編」
曇り空:荒井由実「ひこうき雲」
扉の冬:吉田美奈子「扉の冬」
君をさらって:ジャックス(早川義夫)「ジャックスの奇蹟」
虹を歌おう:赤い鳥「CD選書ベスト『翼をください』」「祈り」
時にまかせて:金延幸子「時にまかせて 金延幸子レア・トラックス」
少女:五輪真弓「少女」
コーヒーブルース:高田渡「高田渡 BOX」
一本道:友部正人「にんじん」
僕は70年半ばに生まれたので、このアルバムに収録されている全ての曲に馴染みがなかったのですが、調べていると、ああ、あれを歌っていた人なのかと曲の方から思い出したりしました。基本的には70年代の名曲な訳で、懐かしく、悪く書けば古臭く聴こえるかなぁ、と思っていたんですけど、意外と新鮮な響きで驚きました。
後これは蛇足ですが、杏の元メンバーの方が「Memi」名義で音楽活動を再開なされたそうです。今回の辻さんのカバーアルバムで興味を持たれた方はそちらの方も聴いてみてはいかがでしょうか。
PUNK is FOLK
ガガガSPのファンの中でも「フォーク」の側面を理解しているファン向け、という
ターゲット層狭すぎ採算度外視の男気溢れるフォークカバーアルバム。
23分とビックリするくらい短いのでミニアルバムという位置づけだが
「金」と「女」をテーマにした渋い曲選はおっさん好みで何度でも聞きたくなる中毒性がある。
特に泉谷しげる「告白のブルース」のカバーの完成度が高い。
原曲発表から40年経っても悲しいくらい違和感が無い男と女の価値観の世界を
ガガガSPがパンクのフィルターを通して見事に咀嚼している。
曲リストを見てさだまさししか分からないカスタマーや
シングル「線香花火」で「自衛隊に入ろう」を飛ばしちゃうカスタマーには
全体的に見て歌詞がイタイタしくて共感できないかも知れないが、
ガガガSPもワザと世代間ギャップを表に出してると思われるので
このアルバムを聞いてガガガSPのルーツを知るのもいい。
ガガガSPがフォークをカバーするということは
山下達郎が洋楽をカバーするのと同じくらい完璧に噛み合っている(と個人的に思う)ので
次回フルアルバムで登場する機会があればじっくり聞いてみたい。