Rings Around the World
やはりここでも言われているように、ファーリーの最高傑作はこのアルバムで不動ですね。
まず他の作品と比較して、テンションが違う。一曲ごとの緊張感、そして楽曲のバラエティ、そのどちらをとっても素晴らしい。
さらにアルバム全体の底流をなしている大きな、包み込むような愛。それはこの作品がとりわけ時代を映し、その影響を全身で受けとめていることの傍証だと思います。
テーマが明確だった最近の2作とは異なり「主題」を必要としない、それでいて楽曲たちが自ずから、大いなるものの方向へ収束していく感じは堪りません。
心に何らかの核心/確信がサプライされたような、聴き終った後の温かい感覚。
数年経った今も、月に1度は引っ張り出して聴いています。
Phantom Power
前作と比べるとゆったりとした印象を否めないが、昨今のガレージロックやポストパンクの影響を受けた音楽が流行る中、曲はカントリーを基調にした普遍的であり、かつ世界の絶望に自覚的で解決を願う良質な音楽に溢れている。ベックのsea changeにしてもそうだが、カントリーやフォーキーな音楽は心に直接的に語り染み入ってくる。CD買って聴いてライブに足を運ぶべし。前回のライブは本当に素晴らしかったです。