
ぼくが医者をやめた理由 (角川文庫)
「ぼくが医者をやめた理由」というタイトルなのに理由が書かれていないと怒ってはいけない。「医療のここがおかしい!」と真正面から批判するよりも、日常業務の中で感じたかすかな違和感、「こんなのはヘンだ」という意識を書き留めた方が、細かいニュアンスが伝わるというものだ。

ぼくが医者をやめた理由 つづき (平凡社ライブラリー)
久しぶりに再読してみた。永井さんの文章は、かっこつけない、等身大の姿が描かれているのが好印象だ。確かに全体を読んでも直接的に「医者をやめた理由」が書いてあるわけではない。しかし、読んでいて、「ぼくには医者が向いていないんだ」というのは伝わってきた。