Beauty J-POP-EMI EDITION-
コロムビア、BMG、ビクター、東芝の4社合同でリリースされる「女性」というユルーイくくりで集めた企画CD。
他社のは、玉石混淆とも言えない作りですが、この東芝版は、有名曲とコンピだから聞いて欲しい、という曲をうまくバランスよく織り交ぜているような気がします。特に、後半の具島直子さんは実力派として今でも好きな人が多いし、フリーボも女性ボーカルのロックバンドとして貴重な存在でした。前半のパティ、麻生小百合さんもセレクトに努力がみられます。どうせならそういう曲ばかりでもいいかな、と思いました。
「探偵物語」「愛情物語」なんてこれで聞きたい、という人おそらくほとんどいませんから。
真音〈2〉 (リンクスロマンス)
大病やケガの経験者が他人の痛みに敏感なように、この作品の主要キャラ全員が、辛く痛い過去を経てきた者ゆえの「距離感」を常に持ってます。
いつも嫌がる進藤を押さえ付けて関係を迫る、破天荒ヤクザな富樫でさえ、肝心なときはちゃんと優しい。
その強引さと優しさで、進藤の心をザクザク切り開いて踏み込んでゆくのです。
進藤もついに富樫の背中を抱きしめるようになっちゃうし、いつもふざけて余裕の富樫が結構、進藤に溺れてるのがわかってきて膝を乗り出しました!(笑)
富樫の側近・槙原がまたいいです。BLヤクザモノのによくある「上位者とその部下」とはかなーり違う関係が、精神的部分を含めて丁寧に描かれており、テンプレ通りの話には飽きたなぁという方!是非読んでみて下さい。BL色を薄めれば、そのままシリアスドラマになりそうですよね。
次巻で完結、楽しみです。
Otome continue Vol.4
この雑誌のコアなファンには申し訳ありませんが、木皿泉さんの対談を読むためだけに購入しました。
対談相手の羽海野チカさんについては名前を存じ上げているだけです(これからしばらくして、『ハチミツとクローバー』を読みました)。
話の中心は、木皿さんがこれまでに書いてきたドラマです。近作の『Q10』に関する話が多いですが、『すいか』などほかのドラマのことにも触れられています。ドラマのプロデューサーとのやり取りなどについても書かれており、ドラマの脚本がどのように作られていくかが分かります。『すいか』と以降の作品にある微妙な「差」を理解するのにも役立ちます。
なお、ご存知の方もおられるでしょうが、木皿さんは夫婦二人のペンネームです。この対談では、それぞれ仲間内で呼ばれるニックネームでお話しをされていますので、実際は鼎談になっています。
追記
対談だけを読んで上記のレビューを書いたのですが、対談とは別にプロデューサーの河野英裕さんのインタビューも掲載されています。お二人(三人)が、『すいか』以降、ドラマを作るためにいかに苦闘してきたのかがよく分かります。また、プロデューサー主導によるドラマ制作ばかりになる弊害に関する発言には本当に共感しました。
逢えるかもしれない (アクア文庫)
この作品は医師同士の話ですが少し変わった雰囲気を醸し出しているように感じます。
内海は肩に持病を持っていますが頑なに手術を拒みます。
読み手も吉永と共に何故なのだろうかと不思議に思うほどその意志は強固です。
しかしその理由が、内海の思いがわかった時、読み手である自分も吉永にシンクロしたかのように内海に惹かれていくように感じました。
好きだからといって、恋人だからといって、もたれあうだけではなく、それぞれ自身があって立つべき場所があって、その上で相手がいるというスタンスの二人が魅力的な作品です。
ただ、私はこういう雰囲気も好きですが、明確に甘いという感じなどはありませんので、BLという範疇から考えると少し物足りないものを感じるかもしれません。
年下の男 1 [VHS]
私は海外に住んでいるので、2003年1月から3月までの放送時にリアルタイムで毎週見ていたわけではなく、今回の帰国で、家人が撮っておいてくれたビデオで見ました。という訳で、全11回を1日かけて一気に見終わったのですが、密度の濃さは、そんじょそこらの連ドラの2倍、いやそれ以上。第5話まででのところで、いやあ、ごちそうさま、という感じなのですが、それからが始まりなのですよねー。盛り上げるところは盛り上げて、うまいところに落とす内館節。私の中ではこれが最高傑作です。シリアスなテーマだけれど、ところどころ笑いのツボを外さず、私は、何度「そんなわけねぇだろ」「オイオイ」「あちゃー」と画面に叫んだことか。でも、あのラストシーンでは、思わず涙を流してしまいました。私の見た録画!にはところどころ欠損があるので、発売されたら即購入して、また思い出したときに浸りたいです。皆さんもぜひどうぞ。