
機動警察パトレイバー NEW OVA SERIES [DVD]
このOVAが世に出た当時、私は小学生でした。パトレイバーのテレビ放映も、毎週欠かさず見ていたほどのファンでしたが(今でも)、コレはビデオであったため、その頃の私には「高嶺の花」状態…。レンタルビデオ店にも並んではいたものの何故か全話揃ってはおらず、全て見たのはこのDVD−BOXを購入してからでした。
このOVAの中で一番好きなストーリーが『火の七日間』。乱れ始めた特車二課整備班の綱紀を粛正しようと目論むおやっさんとシゲさん。Hなビデオは燃やされ、干物作りは禁止になり、班員達は憤懣を募らせていく。やがてシゲさんは”統制委員会”を組織し、「実力」行使で、おやっさんの信頼に応えようとする。班員同士の血で血を洗う(笑)闘争の末に待っている結末はいかに?と、今更ネタバレも無いかとは思いますが、一応物語のさわりはこれくらいにしておきます。
ところで、こういったストーリーを許容してしまうのは、やはり、パトレイバーという「人」そのものにスポットライトを当てている「群像劇」だからこそできるのだと思います。登場する(パト)レイバー自体は二の次、それを動かす人々こそが主人公。そこに「パトレイバー」の妙味があるのではないでしょうか。
地球を救うわけでも、宇宙戦争が起こるわけでもない。平和な日常に潜む悪は懲らしめる(取り締まる)が、おまわりさんだって人間。腹も減れば、水虫にもなる。でもやる時はやるよ、っていう時々見せる清々しさが、映画版まで含めたパトレイバーシリーズの面白さなのかもしれません。