ソプラニスタ(初回限定盤)
現在の声は完成度が高く素晴らしいものになっています。先日のTV番組で「誰も寝てはならぬ」を歌っていましたが、この版とは全く変わっていました。高音域の発声法は感動します。成長のプロセスを見るという意味ではこのCDも面白いですが、歌声を心地よく聴きたい方にはあまりお薦めできません。
ソプラニスタ
カウンター・テナーのスラヴァも好きですが、このソプラニスタ、岡本知高の声のほうがもっと好きです。
フジテレビ系全国ネット連続ドラマの「牡丹と薔薇」の主題歌「涙のアリア」を聴いてファンになった方もおられるでしょう。
男性でありながら、ソプラノの声域と言うと、「際物」のイメージがありますが、本当に歌の上手なソプラニスタです。世界で3人ほどしか活躍されていない、という貴重な歌い手です。
まず、音程がとてもしっかりしていて、丁寧な歌い方です。勿論、男性ですので、その豊かな体格をいかした声量はどこまでも広がっていくイメージがあります。
そして、劇的なオペラのアリアを聴くと、そのダイナミックな表現力に圧倒されます。多分、イタリア・オペラ、特にプッチーニのオペラのような華やかなアリアが一番あっているのではないでしょうか。ドラマチックでとてもメリハリがあって聴きやすかったですね。
メゾ・ソプラノの声質のように思いましたが、高音域のつややかさはまさしくソプラノそのものですね。ちょうど、ソプラノの大歌手ジェシー・ノーマンのようなイメージでしょうか。
そう言う意味では、ドラマチック・ソプラノとでも言えるでしょう。とても魅力的な声で、そして少し不思議な香りも感じます。
日本の歌の一つ一つにも、哀愁と郷愁を感じました。しみじみした日本語の歌もそれぞれが、味わい深く感銘を受けました。
「翼をください」「叱られて」「蘇州夜曲」「浜辺の歌」「川の流れのように」が特に気に入りました。歌唱力がありますし、日本語も聴き取りやすく、歌詞の持つ意味を丁寧に表現しています。
「ヒーリング・ミュージック」のジャンルにも十分入る癒しの声質を持っているようです。
これから、様々な音楽ジャンルで活躍されると思います。日本だけでなく、世界中の人に愛される歌手に育ってほしいと願っています。