ローマ人の物語〈41〉ローマ世界の終焉〈上〉 (新潮文庫)
自分の利害ではなく、自分のスタイルに準じて死を選ぶ
最後のローマ人・スティリコ。日本の武士道の美意識も
かつてはこうだったと思う。現代日本では完全に失われている
が、日本人の共感は呼ぶはず。
ローマ人の物語〈42〉ローマ世界の終焉〈中〉 (新潮文庫)
西ローマ最後の時系列的流れはなかなか知る機会がないので、
単に知識欲だけで読むにしても為になる第42巻。
ローマは誰にも気付かれないように滅んでいたというのが泣かせる。巨大な
帝国がゆっくり時間をかけて蛮族の海の中に溶解していくというのは
長篠移行の戦国の武田氏のようなはかなさ、それが故の哀愁を感じる。
ローマ人の物語〈43〉ローマ世界の終焉〈下〉 (新潮文庫)
西ローマが滅んだ後のローマ世界のその後。
現代日本に生きるものとして、自分の国に引き直して考えざるを得ない。
ローマ人と同じ多神教の民として、日本が劣えゆく中では
ただ身を引くということしか出来ないのではないかという忸怩たる思いを
感じた。