勝海舟の嫁 クララの明治日記〈下〉 (中公文庫)
表紙のイメージをクリックして大きくしよう。
後ろに立っている人の向かって右がクララ。
左の男がクララの亭主,海舟の三男梅太郎。
そして,前に並んだ子どもたち。
この中のヒルダがクララの日記を日本に持ってきた。
日本人の男と結婚なんて考えると「胸がむかつく」と言っていたのに,
できちゃったらしい。
「海舟の嫁」という題名なのに嫁になってからの話は出てこない。
できちゃったところで終りにしてしまった。
『津田梅子とアナ・C・ハーツホン―二組の父娘の物語』や『明治の若き群像 森有礼旧蔵アルバム 』を読むと未公刊部分がある。
100年たっても,まだ差し障りがある人がいらっしゃるのだろう。
でも未公刊部分も出してほしい。続巻を出してほしい。
フルベッキが死にそうになるぞ。
新島襄が出てくるぞ。内村鑑三も。
男と女2
「男と女」は以前、購入しましたが今回、パート'Uが発売されると聞いて早速、購入しました。今回もよかったですー。車を運転しながら、聴いたりしてます。特に夜、暗い車の中で一人聴くのは何とも至福の時です。それぞれのボーカルの女性たちの声と稲垣潤一の声とがお互いを高めあいながらハーモニーを醸し出していき、聴いていて心地良いです。特にやっぱり「クリスマスキャロルの頃には」が彼の持ち歌ということもあり、広瀬香美との歌声とマッチして最高です。
古代メソポタミアの神々 世界最古の「王と神の饗宴」
この本はシュメールだけでなくバビロニア、アッシリア、カッシート、ヒッタイトなどの神々について記述されており、ほとんどオリエント地域の神々について平易に書いてある。普通、シュメールの聖婚などについては書いてある本はある、しかしバビロニアの宗教などについて書いてあるのはまれである。その意味でこの本は貴重であろう。筆者がNHK学園の講師ということもあり、説明などには注釈がページごとに載っており、非常に読みやすい。こうしたオリエント関係の和書は非常に限られており、洋書が読めないけれど、なにかオリエントの宗教についた知りたいと思っている人にとっては非常に格好の本であろう。
マリと子犬の物語 スタンダード・エディション [DVD]
新潟県中越地震の実話を基にしたフィクション。
心に響く場面が多く、涙を誘われる映画だった。
みんな自分のことより他の人のことを考えていて、
家族愛、犬と人の絆、人と人の絆に感動しました!
マリと子犬たちが可愛らしいし、母を亡くして
淋しさを抱えたアヤちゃんが素晴らしかった!
山古志村の風景、久石譲さんの音楽も素敵でした。
地震災害の映像はリアルで本当に怖かったです!
人も犬も、みんな諦めずに頑張っていた。
優しさや思いやりに胸が熱くなりました・・
シュメル神話の世界―粘土板に刻まれた最古のロマン (中公新書)
有名なハンムラビ法典は、前1700年半ばに成立。それより千年以上前、およそ前3500から前2000年の間に、民族も言語の由来も不明なシュメル人が、ペルシャ湾に注ぐティグリス川とユーフラテス川の流域、メソポタミアの最南部で、川や海を使った交易と灌漑農業で栄え、多くの都市を建設。住民は、各都市の守護神を祀った神殿を中心として、都市生活を謳歌した。口承神話を独自の櫛形文字で粘土板に書き、それを教材に使い、粘土板本の図書目録さえあった。これらの出土資料と日常用具だった円筒印章に刻まれた神々の図から、神話が、読み解かれています。
後世他地域でも物語られた普遍的主題の神話○創世○大洪水○楽園○豊饒神○大地母神○英雄神の怪物退治等々が、他神話と比較しながら丁寧に説かれています。特に名高い「ギルガメシュ叙事詩」は、実は後世のアッカド語版で、シュメル時代の「ビルガメシュ神の英雄譚」との違いなど、細部まで研究が進んでいるのに驚きました。本書では、「創生」から「シュメル国家の終焉哀歌」まで神話が配列紹介されています。神話時代に産声をあげ、歴史の出来事として滅亡した都市国家の総体を見ることができ、始まった文明には必ず終わりがあることを諦観しながら確認できます。
シュメル神話が一つではなく、違う伝承があることを初めて知りました。またシュメル以後に栄えたアッカド人やアモリ人が、前代の高度の都市文明を排斥せずに、むしろ自国文明の中に導入したことが、神話の伝承に繋がったようで、中国・韓国・日本の文化継承の違いを思い起こしました。それにしても現代でも人の前に変わりなく立ちはだかる関門、どうせ死ぬんだから生に意味はないのではという人が前に進む心を砕く難題に対して、人は死すべきものであるからこそ何かをすべきだということを、人間が神話の中でとうに見据えていたことに驚きます。