宇宙への秘密の鍵
本書は小学生から理解できるように書かれています。
しかし、内容的には最新の宇宙の知識、情報も含まれていて、大人でも
十分に楽しめる内容になっています。
全体的にはジョージの冒険というストーリー仕立てになっていて、所々に
物質とは何か?原始の構成要素、素粒子、太陽系の惑星、準惑星、小惑星の
最新情報などもストーリーを読み進める上での必要な知識をストーリー順に
配列しています。
また宇宙の天体、銀河の写真も豊富です。肉眼では見えない天体も
赤外線撮影された写真を用いて解かり易く説明しています。
ホーキング自身、「ホーキング宇宙を語る」があまりにも高度な内容だった為に
それからは順次易しい内容に移行して今回は児童にも理解できる本に仕立てました。
ホーキング、宇宙と人間を語る
本書は「宇宙理論をたった1つの宇宙理論で説明できる万物理論は存在するのか?」
をテーマに全編進んでいきます。
その際、相対性理論や量子力学の基本的な事項を盛りこんで、これらの初心者の読者にも
解りやすく説明しています。これが本書の目玉、いろんな他書を読んでみてもここまで
解りやすく説明しているものはなかなかありません。
結論から言うと「1つの理論で説明できる万物理論は存在しないだろう」というのが
ホーキングの持論でしてその代わりに様々な状況によって対応できるM理論を支持しています。
宇宙はそれぞれ分岐しており、その数は10^500あるそうです。
「ホーキング宇宙を語る」は難解な書物ですが、それ以降の彼の書物はできるだけ読者に解りやすく
書かれています。
彼も高齢になりつつありますので、この続編を著わせるまで生きて、また宇宙物理学のファンを
楽しませて欲しいものです。。
ディスカバリーチャンネル エイリアン・プラネット 地球外生命との遭遇 [DVD]
恐竜や古生物をリアルなCGで再現する科学番組が欧米で続々と製作されて人気を集めているが、最近では、その対象も、龍などの架空の生物や未来の生物、そして、本作品のように太陽系外の惑星に住む生命にまで広がっているらしい。もちろん、恐竜などと同じように今回も科学的な推測に基づいており、探査方法から地球外生命の生理までが詳説される。米国でカール・セーガン的な立場になりつつあるカク・ミチオ博士らが助言と解説をしている。これらのキーワードにピンと来た人はお勧め。
ホーキング、宇宙を語る―ビッグバンからブラックホールまで (ハヤカワ文庫NF)
車椅子の天才科学者の本は今でも色あせない。量子力学と相対論の統一を通して、科学が避けて通ってきた「なぜ宇宙が生まれ、現代のような形になったのか」という問いに真っ向から挑む実証主義の代表、ホーキングの偉大さは読むたびに感動する。思えば複雑な宇宙物理学をこれほど一般に分かりやすく説明した人物は当時ではホーキングくらいなものだった。たしかに本書はいくら一般向けとはいえ難しい。訳出も今から見ると古めかしいし、高次元や本書の要の一つである無境界条件と不確定性原理は図で説明しづらく、ホーキングも説明に相当苦労しているようだ。ホーキングは本の中で頻繁に「神」という言葉を使う。彼自身は無神論者だが、神の不要論を唱えながら、あえて物理学が提示する無神論を読者に強要しない。この辺に彼の寛容さをうかがうことが出来る。今では宇宙物理学も進歩して、本書にもいくつか修正が必要になった。それだけ科学は日進月歩で絶えず書き換えられている証だ。
今では「エレガントな宇宙」など多くの優れた本がある。しかし本書がなかったら「エレガントな宇宙」も生まれなかったかもしれない。
ホーキングが火付け役になって相対論や量子力学が身近になった。一方で単純な誤解で現代物理を一蹴する人もいる。「ホーキング宇宙論の大ウソ」などという勘違い本が出たのも今では懐かしい思い出である。