Where the Groupies Killed
非常にテクニカルで格調高い(雑多で趣味っぽいだけか?)、ハードロックバンドであるが、おそらく一般のハードロックファンには、ついて行きにくいサウンドだと思う。特にキーボード全般と、管弦楽器のアレンジまでこなす、ペーター・ヘクトの大仰な逸脱プレイはこのバンドの要である。後半は特に難解な構成(ジャズ、変拍子はもちろん、現代音楽やチェンバーへの接近も)になっており、ハードロックを楽しみたいというよりも、異常な音楽への薀蓄を垂れたい、プログレ・ファンの方におすすめします。
グッド・タイム・ウォリアー
彼等の作品中で、これこそが最高傑作だと自信をもってお勧めできる一枚です。ラストを飾る大作「ウォーリアー」この一曲の為に買ってもけして後悔はしないでしょう、ほんとに素晴らしい曲です!もっと世間に知られるべきバンドです。
Sumogrip
「相撲グリップ」というタイトル通り、ジャケットは貴乃花と若乃花の兄弟が、がっぷり四つに組んだ写真である。日本人の感覚からすると変だが、欧米人には異文化的・神秘的に見えるらしい…。
1981年の「Mean Machine」を最後に事実上活動を停止したドイツのLUCIFER'S FRIENDが、何と13年振りにLUCIFER'S FRIEND IIとして再結成された。シンガーはオリジナル・メンバーのJohn Lawton。URIAH HEEPの2代目シンガーとしても知られ、DEEP PURPLE、RAINBOWのリッチー・ブラックモアが起用を打電したこともある名シンガー。伸びのある美声で評価が高い人物だ。
バンド名を --II としたのは、1981年までとは別の活動であることを示すため、との事。ところが、これが今までのどのアルバムよりも優れた作品になってしまうのだから不思議なものだ。「歌える」キャッチーなメロディーを軸に、悲壮感のある疾走曲から、明るいバラードまで、本当に様々なタイプの名曲がずらりと並ぶ。
ジャケットにニッポンの「相撲」を使い、Get In(入場)、Banzai(万歳)などというインストが入る企画はこの際どうでもいい。とにかく、恐ろしいほど曲が揃っている。Track 5の別ヴァージョンのボーナス曲まで、全く捨て曲がないという信じられないアルバムで、美しいハードなロックが好きなら、迷わず聴いてみるといい。
LUCIFER'S FRIEND自体が日本では無名だったため、日本盤は見送られたが、そのクオリティの高さから、輸入盤店への入荷が徐々に増え始め、最終的にはかなりの枚数が売れたようである。日本での配給も多いCastle Communications(現Castle Records)からのリリースだったにも関わらず、最後までどこの国内レコード会社も手を挙げなかったのは残念でならない。