忍たま乱太郎アニメーションブック 忍たま忍法帖
忍たま関係の書籍でルビなしというのも珍しいんじゃないでしょうか(笑)
忍たま・忍術学園関係者・水軍・敵キャラ……など人気キャラを一通り網羅したバランスのいい内容。
割かれているスペースに差はありますが、基本的なプロフィール・作画設定・代表的なエピソードがキャラごとに紹介されていてとても面白かったです。
「厳禁〜」のような特集記事が少ないこと、一人一人の紹介が短いことが気になると言えば気になりますが、この人数を捌いているのですからそこは已む無しでしょう。
絵的には委員会ごとの一枚絵とOP原画が載っていたのが嬉しいところ。
必見なのはアニメ忍たまスタッフによる裏話。
19期への伏線やらアニメ忍たまへのこだわりやらについてのコメントも楽しめました。
が、何よりも、数多くいるキャラクター一人一人の持ち味を、スタッフがとても大切にしているのが伝わってきてよかったです。
大友人気が凄まじい昨今ですが(笑)、これからも大人も子供も楽しめる忍たまであってほしいな、とこの本を読んで思いました。
たまの映画 DVD-BOX
「たまの映画」というタイトルを冠しながら、懐かしの映像も、レア・トラックも、一切登場しない。
というか、「たま」の映像自体が、一秒たりとも出てこない。
「たま」は過去のものとして語られるに過ぎない。
抉り出しも踏みこみも掘り下げもせず、今を生きる元「たま」の姿に、ただ淡々と無機物であるカメラが「寄り添う」。
本作のドキュメンタリーとしての特徴は、この点に尽きる。
ミュージシャンのドキュメンタリーとしてはかなり異質なので、この点に不満を持つ「たま」ファンは結構多いのではないかと思う。
しかし、ここにこそ本作の強いメッセージ性を読み取るべきだろう。
今、「自由に生きる」とは、何を得て、何を喪うことなのか。
「たま」は「自由」によって切り離された。しかし同時に「自由」によってどこか結びつきあっている。淡々と描かれるその姿から、「自由」の苦しみと温かみが静かに浮かび上がってくる。
そんな彼らの生き方を繋ぎ止める「東京」という場の描き方にも注目してほしい。
「たま」を描くというよりは、「たま」を通じて「生きること」を問う本作は、
むしろ「たま」なんか聞いたこともないような人にこそ、訴求力を持つのではないかと思う。