仮面ライダー 1 (トクマコミックス)
本書、山田ゴロ版「仮面ライダーシリーズ」、DVDはおろか家庭用ビデオデッキさえ普及していなかった時代に、TVヒーローの活躍を反芻するにはこのようなコミカライズの存在が重要であった、しかも本作は放映当時のリアルタイムコミカライズではなく、仮面ライダーの放映が(ストロンガーで)一旦終了した後に、いわば連載当時ですでに懐かしのヒーロー的立ち位置で描かれたものであり、すでにこの時点で彼ら「仮面ライダー」が伝説のヒーローであったことを強く印象付けるといえるだろう。
その後、スカイライダー、スーパーワンは放映にあわせたコミカライズとなった、すなわち本作の存在がライダーシリーズ復活の要因になったとも言えよう、
当初は石森章太郎の「少年マガジン版」仮面ライダーの構図を流用し、(おやっさんのデザインも石森版に準拠)石森版のダウンサイジング的コミカライズであったが、山田氏はみるみる頭角を現し、村枝氏以前では「日本で一番」仮面ライダーを描いた作家となった、
特にv3の「幸せな子と書いて幸子っていうの、、」や、「ライダーマン編」への力の入りよう、クールなXライダーの描写や、人間より動物にシンパシーを感じているアマゾンの描写等は、ファンの記憶に残るところ、このビデオが無くて視聴できないがゆえにイメージを膨らませるコミカライズの存在が後のクリエイターの二次創作的想像力の展開に強く寄与したことは想像に難しくない、
意外な事に、山田ゴロ氏本人はTVの仮面ライダーを一度も見たことが無いそうで、渡された設定からあのような「仮面ライダーらしい」物語を創出していたのだ、(ZXがTVで放映され無かったことも知らなかったそうである、)
仮面ライダーについて語るとき、実際にTV放映されたオリジナルと共に欠かせない存在感を放つ、それがこの山田ゴロ版「仮面ライダー」である。
その後、スカイライダー、スーパーワンは放映にあわせたコミカライズとなった、すなわち本作の存在がライダーシリーズ復活の要因になったとも言えよう、
当初は石森章太郎の「少年マガジン版」仮面ライダーの構図を流用し、(おやっさんのデザインも石森版に準拠)石森版のダウンサイジング的コミカライズであったが、山田氏はみるみる頭角を現し、村枝氏以前では「日本で一番」仮面ライダーを描いた作家となった、
特にv3の「幸せな子と書いて幸子っていうの、、」や、「ライダーマン編」への力の入りよう、クールなXライダーの描写や、人間より動物にシンパシーを感じているアマゾンの描写等は、ファンの記憶に残るところ、このビデオが無くて視聴できないがゆえにイメージを膨らませるコミカライズの存在が後のクリエイターの二次創作的想像力の展開に強く寄与したことは想像に難しくない、
意外な事に、山田ゴロ氏本人はTVの仮面ライダーを一度も見たことが無いそうで、渡された設定からあのような「仮面ライダーらしい」物語を創出していたのだ、(ZXがTVで放映され無かったことも知らなかったそうである、)
仮面ライダーについて語るとき、実際にTV放映されたオリジナルと共に欠かせない存在感を放つ、それがこの山田ゴロ版「仮面ライダー」である。
あの頃映画 「愛の讃歌」 [DVD]
今とは趣の異なる個性の強い、俳優と言うより役者と呼びたくなるような多彩なキャラクターを持った面々ががっちりとスクラムを
組んで、隙の無い日常会話を交し合う。取り澄ました演技の多くなった現代から見れば実にカッコ悪い人たちなのだが、だからこそ
この人間臭い滑稽さが滲み出してくる。こういう役者が居て初めてこの脚本が可能となる。つまり山田監督は得したのだ。キャラを
生かしさえすればおのずと人情味豊かな映画になったのである。
あの手この手で観客の気を惹かなければならない現代の監督からすれば、あっけないほどシンプルな話であり、拍子抜けするくらい
ありきたりな内容だが、それでも凡百の映画を凌ぐ印象を残し得るのは、この稀有なキャラクター達を巧みにあやつる山田采配の
妙技の賜物である。単純ななかにも喜怒哀楽のメリハリ感とラストの別れの場面に至るまでの秘めたる思いの交錯がこの映画を
地味ながら忘れ難いものとしている。
組んで、隙の無い日常会話を交し合う。取り澄ました演技の多くなった現代から見れば実にカッコ悪い人たちなのだが、だからこそ
この人間臭い滑稽さが滲み出してくる。こういう役者が居て初めてこの脚本が可能となる。つまり山田監督は得したのだ。キャラを
生かしさえすればおのずと人情味豊かな映画になったのである。
あの手この手で観客の気を惹かなければならない現代の監督からすれば、あっけないほどシンプルな話であり、拍子抜けするくらい
ありきたりな内容だが、それでも凡百の映画を凌ぐ印象を残し得るのは、この稀有なキャラクター達を巧みにあやつる山田采配の
妙技の賜物である。単純ななかにも喜怒哀楽のメリハリ感とラストの別れの場面に至るまでの秘めたる思いの交錯がこの映画を
地味ながら忘れ難いものとしている。
あの頃映画 「遥かなる山の呼び声」 [DVD]
山田監督が「幸福の黄色いハンカチ」に続いて高倉健とコンビを組んだ映画。やっぱり健さんが肝になっていると思う。
映画のスケールの点では「黄色いハンカチ」の方が上だと思うが、この「遥かなる山の呼び声」は、山田監督らしいヒューマニティが出ていて、高倉健の魅力もじっくり描かれていて佳作ではないかと思う。
助演者も同様で、特にハナ肇の虻田は良かったと思う。初め、民子(倍賞千恵子)に思いを寄せ、強引に言い寄ろうとするが、高倉健にのされた後は、二人を心の底から応援し続ける。虻田もまた「男の美学」を立派に見せているのだと思う。特にラストの方の列車のシーンは、なかなかの名シーンだと思った。
それに吉岡秀隆も、この映画がメジャー・デビューではなかったか?
超大作ではないが、山田監督の持ち味、構成の手堅さ、出演者の個性がマッチして双方の良さが引き出された名作だと思う。
映画のスケールの点では「黄色いハンカチ」の方が上だと思うが、この「遥かなる山の呼び声」は、山田監督らしいヒューマニティが出ていて、高倉健の魅力もじっくり描かれていて佳作ではないかと思う。
助演者も同様で、特にハナ肇の虻田は良かったと思う。初め、民子(倍賞千恵子)に思いを寄せ、強引に言い寄ろうとするが、高倉健にのされた後は、二人を心の底から応援し続ける。虻田もまた「男の美学」を立派に見せているのだと思う。特にラストの方の列車のシーンは、なかなかの名シーンだと思った。
それに吉岡秀隆も、この映画がメジャー・デビューではなかったか?
超大作ではないが、山田監督の持ち味、構成の手堅さ、出演者の個性がマッチして双方の良さが引き出された名作だと思う。