まわり道 デジタルニューマスター版 [DVD]
ゲーテの『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代』を板敷きに、ヴェンダースの盟友でドイツ語圏文学を代表する作家でもあるペーター・ハントケが脚本を担当した「ロード_ムービー三部作」の二作目。
原題はFalsche Bewegung (誤った動き)といって、その名の通り、やたら迂回と脱線を繰り返す不毛な彷徨の映画である。前作『都会のアリス』が、「アメリカの影響」を主題としているとすれば、この作品は「ドイツの現在」が主題といえるだろう。
母親の薦めで旅に出た若い作家志望の青年ヴィルヘルムは、途中で出逢った元ナチスで大道芸人の老人、その相方で口の利けない少女、女優、自称詩人の青年とともにドイツをさまよう。ふとしたことからライン川沿いに住む大富豪で自殺志願者の老人の邸宅にたどりつき、まったく噛み合わないお互いが勝手に独白を投げるような会話を積み重ね、大富豪の死と大道芸人の老人が元ナチスであるという過去を告白したことを契機として、またバラバラになって、ヴィルヘルムは一人でドイツ南端の峰ツークシュピッツェの山頂に登り「どうやら、何かし損なったようだ。動く度に何かをし損なう」 と呟く。と、こんなストーリーを書くことには何の意味もない、といいたくなるほど、抑揚のない夢幻劇のような映画。
個々のシーンは絶妙の演出が施されていて、女優と出会う列車のシーンや、山を集団で歩くシーンの人の入れ替わりなど、おおおと思うところは多い。けれどもその「ドイツ的」な観念性にはほとほと気が滅入らせられる。なお、ヴェンダースがディスコで見つけた女の子をスカウトし、家に行ってみたらクラウス・キンスキーの家だった、という怪しげなエピソードがあって、当時12歳のナスターシャ・キンスキーがおっぱいまで出して出演している。前作のアリス役のイエラ・ロットレンダーといい、ヴェンダースにはロリの気があるのか、子役の女の子の魅力的なことと言ったら目を見張るものがある。
原題はFalsche Bewegung (誤った動き)といって、その名の通り、やたら迂回と脱線を繰り返す不毛な彷徨の映画である。前作『都会のアリス』が、「アメリカの影響」を主題としているとすれば、この作品は「ドイツの現在」が主題といえるだろう。
母親の薦めで旅に出た若い作家志望の青年ヴィルヘルムは、途中で出逢った元ナチスで大道芸人の老人、その相方で口の利けない少女、女優、自称詩人の青年とともにドイツをさまよう。ふとしたことからライン川沿いに住む大富豪で自殺志願者の老人の邸宅にたどりつき、まったく噛み合わないお互いが勝手に独白を投げるような会話を積み重ね、大富豪の死と大道芸人の老人が元ナチスであるという過去を告白したことを契機として、またバラバラになって、ヴィルヘルムは一人でドイツ南端の峰ツークシュピッツェの山頂に登り「どうやら、何かし損なったようだ。動く度に何かをし損なう」 と呟く。と、こんなストーリーを書くことには何の意味もない、といいたくなるほど、抑揚のない夢幻劇のような映画。
個々のシーンは絶妙の演出が施されていて、女優と出会う列車のシーンや、山を集団で歩くシーンの人の入れ替わりなど、おおおと思うところは多い。けれどもその「ドイツ的」な観念性にはほとほと気が滅入らせられる。なお、ヴェンダースがディスコで見つけた女の子をスカウトし、家に行ってみたらクラウス・キンスキーの家だった、という怪しげなエピソードがあって、当時12歳のナスターシャ・キンスキーがおっぱいまで出して出演している。前作のアリス役のイエラ・ロットレンダーといい、ヴェンダースにはロリの気があるのか、子役の女の子の魅力的なことと言ったら目を見張るものがある。
AKB48 ネ申テレビスペシャル ~ニュージーランドで見た幻の宇宙~ ~ブロードウェイへの道~ 【2枚組】 [DVD]
最近のネ申は初期の頃に較べるとすっかりユルい企画ばかりになり、イマイチ面白くなかった。
しかしこのDVDのスペシャル2本はかなりガチな企画で実に面白い。
1本目はニュージーランドでの探検もので、過去の名作である富士登山や洞窟探検にも劣らぬ面白さ。
宮崎、藤江、仁藤、片山、島田、小嶋(菜)というメンバーで、まさか島田がまっ先に泣き出すとはね(笑)。
2本目はニューヨークのブロードウェイミュージカルスクールへの短期留学もの。
2日半の日程で現地の受講生と共に一本のミュージカルを作り上げた。
言葉のハンデを考えるとこれも相当にムチャだが、ダンスに歌に必死に取り組む姿は素晴らしい。
メンバー構成が良く、ポテンシャルの高い秋元、増田、真面目な倉持にムードメイカーの大家。
若手の大場、永尾という6名の組み合わせが実に良かった。
特に増田の度胸とアドリブでの歌唱力にはビックリ!
この企画は本当にいい企画なので、現在の若手メンバーにもぜひ体験させてあげて欲しい。
内容的には全く不満はないのだが、もうちょっと早く出してくれよ〜!
しかしこのDVDのスペシャル2本はかなりガチな企画で実に面白い。
1本目はニュージーランドでの探検もので、過去の名作である富士登山や洞窟探検にも劣らぬ面白さ。
宮崎、藤江、仁藤、片山、島田、小嶋(菜)というメンバーで、まさか島田がまっ先に泣き出すとはね(笑)。
2本目はニューヨークのブロードウェイミュージカルスクールへの短期留学もの。
2日半の日程で現地の受講生と共に一本のミュージカルを作り上げた。
言葉のハンデを考えるとこれも相当にムチャだが、ダンスに歌に必死に取り組む姿は素晴らしい。
メンバー構成が良く、ポテンシャルの高い秋元、増田、真面目な倉持にムードメイカーの大家。
若手の大場、永尾という6名の組み合わせが実に良かった。
特に増田の度胸とアドリブでの歌唱力にはビックリ!
この企画は本当にいい企画なので、現在の若手メンバーにもぜひ体験させてあげて欲しい。
内容的には全く不満はないのだが、もうちょっと早く出してくれよ〜!
命をつないだ道―東北・国道45号線をゆく
ものすごい時間をかけた取材だったろうと思います。震災直後の市町村を分断した国道45号線を復旧する地元のメンバーとそれを支えた全国の団体や企業の姿をリアルにかいてくれました。
マーカーでキーワードをハイライトしながらの読破でした。自分がしなくて誰がやる、という地元の有志達の熱い戦いのドキュメントです。感動しました。取材力筆力に改めて感心しました。これはすごい本です。ノンフィクションで勝負する気迫が伝わってきます。
これまで読んできた稲泉さんの本は、各章の始まりは精緻な情景描写からスタートする、小説タッチの柔らかさがあるのですが、今回は書きたかったであろうそういう描写は影をひそめて、いきなり人に入るという表現でした。多くの人たちをインタビューされて、彼らの思いを残さず書き上げようという気迫が伝わってきました。お薦めです。
マーカーでキーワードをハイライトしながらの読破でした。自分がしなくて誰がやる、という地元の有志達の熱い戦いのドキュメントです。感動しました。取材力筆力に改めて感心しました。これはすごい本です。ノンフィクションで勝負する気迫が伝わってきます。
これまで読んできた稲泉さんの本は、各章の始まりは精緻な情景描写からスタートする、小説タッチの柔らかさがあるのですが、今回は書きたかったであろうそういう描写は影をひそめて、いきなり人に入るという表現でした。多くの人たちをインタビューされて、彼らの思いを残さず書き上げようという気迫が伝わってきました。お薦めです。