宇宙の法則 [DVD]
井筒和幸監督作品。古尾谷雅人主演の青春自立ものである。この映画はこれまで知らなかった。たったいま見て感心しきりである。主人公の青年は自立を手の中に握りしめたところであっけなく肺炎で逝去してしまうところが、リアルっぽくていい。この映画に出ている何人かがすでに物故者になっているが、それより「北の国から'87年初恋」ではじめて見た横山めぐみが、主人公の妹役で出ていて、その成長ぶりに驚いたしだい。また、この時代には柄本明も竹中直人もまだ中堅になりかけといった塩梅にみえる。鳥越マリが出ているのもこの映画の製作された時代を感じさせるし、主人公の兄役の長塚京三がじつに若い。その妻役が芦川よしみさんだ。また寺田農さんも中年のベテランに成りたてといった風情で出ている。馬淵晴子さん、常田富士男さん、三木のり平さんらベテランの芸達者な人たちの顔の間になぎら健壱さんの顔も見えている。なぎらさんは「ああ、花の応援団」に薬痴寺先輩の役で出ていたのが印象的だったが、ここでは申し訳ないが、なんだか余計なような感じである。それはともかく、まじめで静かに、じめっとした青春自立ドラマで、なかなかいい見ものだと感じた。
ぼくたちの家族 特別版Blu-ray
この作品は予告編だけを見ると「暗くて、お涙ちょうだい、文科省推薦的作品」だと
思って敬遠するのはもったいない。というよりもこの作品の予告編は見ないほうがよい。
監督は石井裕也。若くして前作「舟を編む」で日本アカデミー賞を
獲得した。今作は前作とは違い監督と脚本を兼ねている。
そのためなのか、コメディ部分では監督の初商業作品である
「川の底からこんにちは」以降の3作品のような雰囲気がある。
父(長塚京三)、母・玲子(原田美枝子)、長男の浩介(妻夫木聡)、
次男の俊平(池松壮亮)の4人がメインで進んでいく。
長塚京三といえば、あまりしゃべらない、 堅実な父親なイメージだが、
この作品では話が進むほどそのイメージが剥ぎ取られる様がとても面白い。
そして原田美枝子は病気が進むほど天真爛漫で少女のような笑顔が
素晴らしかった。
妻夫木聡、池松壮亮に関してはキャスティングは最初から妻夫木、池松ありきであるため、
監督自身が息子の目線で考えて作品を作り上げていることがわかる。
監督は「若い感覚で撮るのは最後かもしれない。
これからおじさんになって同じ原作を読んだら、
視点も変わると思います。20代で撮ることに価値がある。」
オススメです。
思って敬遠するのはもったいない。というよりもこの作品の予告編は見ないほうがよい。
監督は石井裕也。若くして前作「舟を編む」で日本アカデミー賞を
獲得した。今作は前作とは違い監督と脚本を兼ねている。
そのためなのか、コメディ部分では監督の初商業作品である
「川の底からこんにちは」以降の3作品のような雰囲気がある。
父(長塚京三)、母・玲子(原田美枝子)、長男の浩介(妻夫木聡)、
次男の俊平(池松壮亮)の4人がメインで進んでいく。
長塚京三といえば、あまりしゃべらない、 堅実な父親なイメージだが、
この作品では話が進むほどそのイメージが剥ぎ取られる様がとても面白い。
そして原田美枝子は病気が進むほど天真爛漫で少女のような笑顔が
素晴らしかった。
妻夫木聡、池松壮亮に関してはキャスティングは最初から妻夫木、池松ありきであるため、
監督自身が息子の目線で考えて作品を作り上げていることがわかる。
監督は「若い感覚で撮るのは最後かもしれない。
これからおじさんになって同じ原作を読んだら、
視点も変わると思います。20代で撮ることに価値がある。」
オススメです。
破顔
『破顔』とは、いいネーミングです。黒を基調とした装丁も悪くないし、モノクロ写真もいい。中身は日経夕刊の随筆欄「プロムナード」に週一で掲載された小文25篇。
「たかだか七日ほどの間に、こころをよぎった由無いことを、ささやかな上機嫌にくるんでお話しする」と、後書きにありますが、私は著者長塚京三氏に共感するというより、新鮮な驚き(むしろ脅威の眼)を以って、全篇を一度に読んでしまいました。
内容を紹介するのは控えますが、本の題名と同じ「破顔」と「手のひら大」「甘えどき」などは、印象深く、いちいち腑に落ちるというか、本当にそうだなぁと感じました。少々むずかしいところも彼らしく、実に「おヌシ、デキルな」で、団塊近傍世代の読者には特に効果的かと。
『寒山拾得図』の、幽暗の中で不気味に”破顔大笑”する寒山と拾得の表情に似たアクの強い怪異さ加減もほどよく、俳優 長塚京三の破顔(歯顔?)は、したたかで且つ温かい。
「たかだか七日ほどの間に、こころをよぎった由無いことを、ささやかな上機嫌にくるんでお話しする」と、後書きにありますが、私は著者長塚京三氏に共感するというより、新鮮な驚き(むしろ脅威の眼)を以って、全篇を一度に読んでしまいました。
内容を紹介するのは控えますが、本の題名と同じ「破顔」と「手のひら大」「甘えどき」などは、印象深く、いちいち腑に落ちるというか、本当にそうだなぁと感じました。少々むずかしいところも彼らしく、実に「おヌシ、デキルな」で、団塊近傍世代の読者には特に効果的かと。
『寒山拾得図』の、幽暗の中で不気味に”破顔大笑”する寒山と拾得の表情に似たアクの強い怪異さ加減もほどよく、俳優 長塚京三の破顔(歯顔?)は、したたかで且つ温かい。
昭和の名作ライブラリー 第3集 華の嵐 DVD-BOX 第1章 デジタルリマスター版
"愛の嵐""華の嵐"ハマりました!大好きだったのでぜひまた観たい!とどれほど切望したことか!ぜひまた再販して欲しいです。絶対、両方とも最後まで観たいと思っているファンは私だけではないと確信しています!