ブラームス : ピアノ・ソナタ第1番ハ長調
ブラームスのピアノ・ソナタ全集第1弾。ソナタ第1番&第2番、バッハのあの「シャコンヌ」を
左手だけで弾けるように編曲したバージョン、以上3曲を収録したもの。
アナトール・ウゴルスキはロシア系ユダヤ人で、その出自と当時のソ連当局への反抗的態度から
演奏を厳しく制限され、1990年に西側へ亡命、50歳にしてレコードデビューしたという苦労人で
ある。その人生ゆえにか、ウゴルスキの演奏はきわめて個性的。強烈な打鍵と濃厚なロマンティ
ズム、聴き手にグイグイ迫ってくる力強さ、そして卓越したテクニック。まるで前世紀のヴィル
トゥオーゾが現代に甦ったかのようである。万人受けするタイプではなさそうだが、ハマった人
は病み付きになるかもしれない。文字通りの鬼才である。
最近、タワーレコードから第3番との2枚組で廉価盤として再リリースされた。2枚組で1500円なの
でお買い得だ。
左手だけで弾けるように編曲したバージョン、以上3曲を収録したもの。
アナトール・ウゴルスキはロシア系ユダヤ人で、その出自と当時のソ連当局への反抗的態度から
演奏を厳しく制限され、1990年に西側へ亡命、50歳にしてレコードデビューしたという苦労人で
ある。その人生ゆえにか、ウゴルスキの演奏はきわめて個性的。強烈な打鍵と濃厚なロマンティ
ズム、聴き手にグイグイ迫ってくる力強さ、そして卓越したテクニック。まるで前世紀のヴィル
トゥオーゾが現代に甦ったかのようである。万人受けするタイプではなさそうだが、ハマった人
は病み付きになるかもしれない。文字通りの鬼才である。
最近、タワーレコードから第3番との2枚組で廉価盤として再リリースされた。2枚組で1500円なの
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スクリャービン:ピアノソナタ集
ソ連体制化に埋もれていたピアニストの一人がこのアナトゥール・ウゴルスキ、そんな彼の弾くスクリャービンは中々渋い。極端を恐れない、とかエキセントリックとも言われるようだが、そうだろうか?これらは全く自然なことなのだと思う。彼の強靭な表現力の発揮にはどうしても必要なものなのであり、この奏法は適切な判断に基づくものだと思う。聴かせどころはソナタ第2番“幻想ソナタ”だろうか?これはまだスクリャービンがショパンの影響を受けていた初期の作品であり、とても麗しい旋律を聴くことが出来ると同時に、それがまたスクリャービンらしい独特な響きにのせられているのが特徴である。彼の弾く第2番は特に格別である。見事に2つの楽章が調和し、また心を洗われるような、綺麗に揃った音色も楽しめるのである。ホロヴィッツのような激しさはないが、とてもみずみずしいスクリャービンだ。これを聴いてしばし全身が硬直したようになるのは私だけではないはずだ。