特典につられて映画の前売りチケットを早々にゲットしたにも関わらず、結局バタバタして劇場には足を運べなかった
トライガン劇場版。ようやくDVDで観れました。
映像はマッドハウスを拝みたくなる位きれい。絵のテイストとキャラクターの性格や台詞は、アニメ版の時よりも原作寄りで、個人的には非常に嬉しい(アニメ版のヴァッシュは
ルパン三世を彷彿とさせる女好きのお調子者テイストがきつくて、原作の優しくて不器用なヴァッシュが好きな私にはもう一つだったので・・。今回もヒロインとの絡みはありましたが、笑えるシーンを作るためだろうなという感じで、いやらしくは感じなかったです)。
また、売るほど登場する賞金稼ぎたちの一人一人が、目立つのもそうでないのも実によく造りこまれ描き込まれていて、何とも言えず感動します。ワンカットしか出てこない端役の賞金稼ぎが素晴らしくパンチの効いたデザインで、「えっ、あのピンク色のオカッパマッチョなに!?」とか気になって仕方ないなんて人生で初めての体験でした(笑)。
ガン・アクションも最高にカッコいい(人死にが出ていないの前提ですが・・。その点主人公と牧師は大丈夫でしょうし、ガスバックも無抵抗の人間に手は上げない主義、という設定という事で安心して観れました)。「銃弾、百万発」のキャッチコピーは伊達ではありませんでした。ヴァッシュやガスバックもいいですが、やはりウルフウッドのパニッシャー・コンバットには痺れます。というか(他のレヴュアーさんも描いておられましたが)、原作ファンは奴が元気で動き回っているのを見ているだけで、「ニコラスおかえりぃいい!!」という感じで、どうにも嬉しくて泣けてきます。
今回の映画では「西部開拓時代」の荒くれた、野卑でマニッシュな雰囲気もよく表現されていたと思います。ヨーロッパ的な洗練とは全く違う、若きアメリカの粗野で荒々しいパワー。何とも力の弱い女性たちには生きにくい世界なのですが、
トライガン名物「柄の悪い客にはっきり物申すかっこいいおばちゃん」も健在です。メリル&ミリィも相変わらず西へ東への保険業、頑張っています。手土産のドーナツを奮発するとか、発想がすごく彼女達らしくて笑ってしまいました。銃弾が飛び交う殺伐とした砂の惑星で、パワフルな女の子たちの発揮するこの場違いな生活感覚、この笑い、ああ、
トライガンですね。
お話はちょっとベタな部分もあったけれど、ヴァッシュの<不殺>の生き方に付きまとう痛みや難問を軸に据えて大事なところはちゃんと「
トライガン」していて良かったです。ただプラントの機能・価値や、ミリメリ&ウルフウッドとヴァッシュの関係などを初めとして、原作ファンでないと分からない部分があるので、
トライガンわかばマークの方はお話を知っている人間と観るか、原作を予習してから視聴したほうがいいと思います。
本当に久しぶりに、観終わった後DVDをリピート&購入したくなる作品でした。ありがとうマッドハウス!!今度は『血界戦線』アニメで作ってください!!