自分探しが止まらない (ソフトバンク新書)
著者と同世代生まれのわたしにとっては読み応えのある一冊だった。
自分も当事者として痛みをもって読むつもりだったが、実際、知らないことだらけだった。
「自分探しホイホイ」は、思っていた以上にそこかしこに仕掛けられていたらしい。恐ろしいような、滑稽なようなレポートの数々。
そして、一連の「自分探し」ブームには是非もあるだろうが、以下の著者のこの指摘の、力強さ、正しさ。
ーこの世の中は「やりたいこと」を仕事にした人だけで構成されているわけではなく、
むしろ仕事を「やらなくてはいけないこと」としてやっている人たちで構成されているという認識が抜けているのだ。
「誰もやりたがらないことを進んでやること」に対する価値への配慮がまったくないのは問題だろう。ー
「やりたい仕事=自己実現=人生の成功」という考え方は、「誰もやりたがらない仕事」に就く人に、どのように納得を突きつけるのか。
そこにも、使命感を織り込んだ”やりがい”を混ぜ込むのか?そうでないと、その労働に就く人の人生は、満たされないのか。
出口は、自分自身の内側に、ではなく、外側とのつながりを直接的に確認することからの方が、簡単に見いだせるんじゃないか?
若者の場合、養わなければいけない親や子どもが最初からいたり、あるいは、強烈な共同体への帰属(貢献)意識を持つことは稀だろう。
また、親にパラサイトできる環境があれば経済的自立を急ぐ必要にも迫られない。となると、「自分のために」となるのも、無理からぬことだ。
そして、「不安定雇用」に一時非難するが、そこには”やりがい”もなく、”金銭的余裕”もない。そこからまた、すがるように「自分探し」の隘路へ…。
そして、気がつくと、「誰もやりたがらない仕事」を納得のいかぬまま引き受け続けることへとつながって???
こう考えてみると、「自分探し」は、誰の作為だか、「不安定雇用」と、とっても蜜月関係にある現象と言えてしまう。恐ろしくも!
「バカ売れ」キャッチコピーが面白いほど書ける本
いままで、キャッチコピーを作るのがとても苦手でした。
伝えたいなって思うことを伝えるつもりでいろんな言い回しや言葉を組み合わせても、短い言葉にできないし・・・。
もうキャッチコピーを作る才能がないんだろうなと思って諦めていたんですが、この本の題名を見て期待して買ってしまいました。
そしたら、キャッチコピーを作るのって簡単でした!
私にも書けるなんて感動です。びっくりです。コレ一冊でOKだと思います。