
ポピュラーTV―ポップカルチュア選書「レッセーの荒野」
タイトルの通り、ポップなテレビ論となっています。
テレビをめぐっては、現場制作者の経験から書かれた本か、
あるいは研究者による抽象的で理論的な本に大きく分けられるように思いますが
この本は、それらの研究から抜け落ちてきた、
生活史や個人史のなかでテレビのコンテンツを考察しています。
まさに「地に足のついた」テレビ研究といえるでしょうし、
「テレビ生活史」というジャンルを提起したものとして位置づけられるでしょう。
また、「ポピュラー」といっても、いわゆるサブカル本ではなく、
ほかで社会学的な学術論文をしっかり書いている著者たちが
そういったスタイルをあえて崩して、
恐らく「本当に書きたかったこと」を書いていると見受けられるところも特徴です。