危険社会―新しい近代への道 (叢書・ウニベルシタス)
現在の社会において『危険』がいまや非常に重要な地位を占めるにいたったことを論証し、その対策を模索する本。
環境問題などでよく引かれている本でもある。
産業社会では富の分配が大きな問題となったが、現代は富に代わって危険の分配が大きな問題となってきた。
しかもそれは、目に見えないものであり、知識においてのみ把握されるものだ。
それゆえ、危険は矮小化され見過ごされてしまう。
科学を楯にとって、危険は実証可能なもののみとなり、それでさえ小さく扱われる。
現在の政治は、民主主義的決定が主軸を奪われ、民主的決定以外の部分が政治を決めるようになってきている。
それが市場であり、科学である。
社会では個人化が進み、市場において不平等な競争にさらされ、市場構造に由来する部分についても損害は「自己責任」とされてしまう。
科学技術の進歩もまた、政治の手を離れて進んでおり、試験管ベービーが作られうる状況にまで達している。
・・・と要約してみても思うのだが、本書は多くのことを詰め込みすぎて散漫になっている気がする。
内容的にいえば、環境の問題、個人化とサブ政治の問題、は別々の本で論じるべきだったように思われる。
『危険』というだけでつながっており、全体の論旨がつかみにくくなってしまった。
そこに星一つ減点するが、内容の先見性には驚かされるし、筆者の論への賛否にかかわらず目を通しておくべき本だと思う。
TOGISM 2001
手垢がついた「癒し」という言葉はあまり使いたくないけれども
このCDは いやみのない 聞きやすさと
耳なじみの良いメロディ、そして普通過ぎない雅楽的スパイスが
付け加わって、本当に何度も聞きたくなる素敵なCDだと思います。
毎日のわずらわしさで いらいらしたときなど、
これを聞くと ほっとします。
個人的には、「くじらたちのうた」が一番好きです。
東への道【字幕版】 [VHS]
ヒロインは可憐で健気、守ってあげたい女、NO1のリリアン・ギッシュです。この作品でも決してファンを裏切ってません。見所はなんといってもグリフィス監督お得意の『最後の救出劇!!』
これを見ずしてこの映画を語るなかれ!
D・W・グリフィスの嵐の孤児 <全長版> [DVD]
伴奏がとても日本人好みでドラマティックに映像を飾り立てています
サイレント映画には伴奏が不可欠だということが思い知らされる作品でした
(ただし、オリジナルの音源ではない)
それに言うまでもなく、リリアンギッシュが可愛らしい
150分の全長版ということで、それでも長いなんて微塵も感じさせない
やはり映画の父とまれいわれたギリフィスの巧みな編集による賜物なのですね
たった一人の部屋なのに、思わず拍手をしてしまいました
ARIA The ORIGINATION ORIGINAL SOUND TRACK tre
テレビアニメーション「ARIA」の世界観を常に素晴らしいものにする
要素の一つに音楽がある。
第1弾、2弾と続き、ついに完結の第3弾がリリースされた。アニメーシ
ョンとは思えない音楽は、ゆったりとした時間を楽しむにも最適な品位
を確保している。
本作は、OVAで使用された音楽も収録されている。(オープニング・エン
ディングテーマは全てテレビサイズ版)
従来作とは若干傾向は変わり、ゆったりとした曲が多く中にはボサノヴ
ァっぽい曲?も収録されている。挿入歌「ルーミス・エテルネ」は、広
橋涼の透明感のある声が、清々しく、雄大な空間を感じさせる。
曲は最後になるにつれ、よりシンプルで安心感のある曲調になり、就寝
時に聴くというのも良いかもしれない。
音質は、前作同様でオーディオ試聴にも使える程優秀。音楽と歌は聴き手
によってそれぞれ好みが分かれると思うが、それぞれ自分にあった楽しみ
方を見つけてみてほしい。
このARIAの音楽集は、イージーリスニングのオムニバスアルバム以上に、
音楽として楽しめるので、この作品で知ったのであれば、是非第1弾から
聴くことをお勧めしたい。アニメだから...と思っている方、勿体無いで
すよ!