1971年全日本フォークジャンボリー2
よく昔のミュージシャンは、ビートルズの「ア・ハード・デイズ・ナイト」のイントロを聴いて、衝撃を受けたと言っていますが、僕にとってはこのフォークジャンボリー’71のはっぴいえんど「かくれんんぼ」のイントロが、衝撃でした。ギター弾き語りが多いなか、突然のバンドサウンドでエレキのDm7が鳴り響き、胸が締め付けられる思いがしました。他の曲も名曲揃いで、吉田拓郎の「人間なんて」はバンドサウンド、エレキギターが唸っています。パタパタママを歌っている のこいのこ の「こんなに遠く」は南正人の曲で、あの声で気持ちよく歌われます。ディランセカンドの「サーカスにはピエロが」も乗ってきて、なぎら健壱の「教訓II」で笑えます。
これほど濃い内容のライブアルバムがあるでしょうか。当時のその場所にいるような気にさえなってきます。
ユリイカ2006年7月号 特集=西原理恵子
本で4,500位、これは書き手のパワーの所産だ。特に女の似而非文芸評論家が昨今出現し、カテゴライズに明け暮れる惨憺たるムーブメントを目の当たりにしてきた数日間、この号はすがすがしく読めた。西原女史のでは、女の子物語が好きだ。情念よ。
俺たちのフォーク! presents 関西ふぉーく&ぶるうす特選
1枚目が関西フォーク、2枚目にフォークとブルースが収められています。
初期の和製フォークを眺めますと、関西発信のフォーク・ソングが新しい音楽文化を作りました。ザ・フォーク・クルセダーズの「帰って来たヨッパライ」には日本中の人がビックリしました。「オラ~は死んじまっただ~」という人をくったような歌詞とメロディでしたが、その特異性は過去に例がなく、見事に大ヒットしました。
高石友也の「受験生ブルース」は「国民歌謡」的なもてはやされ方をしたものです。
五つの赤い風船の「遠い世界に」は当時の若者の誰もが愛唱した曲で、集会でよく歌ったものです。音楽が時代の空気を作り、時代の象徴として歌が存在していました。
岡林信康の「友よ」のシンプルでストレートな歌唱を聴くたびにあの頃の若者の持つエネルギーがこの曲に集約されていると感じます。70年安保に端を発した学生運動の連帯感を支えた歌だったといえましょう。
赤い鳥の名曲「竹田の子守唄」も長らく放送禁止歌として扱われてきました。自主規制という言われ無き理由によって。
中川五郎「主婦のブルース」、赤い鳥「お父帰れや」、加川良「教訓1」、ザ・ディラン'U「プカプカ」、ウッディ・ウー「今はもうだれも」、ジローズ「戦争を知らない子供たち」、うめまつり「北山杉」等の懐かしいフォークと、憂歌団、上田正樹、BOROの歌うブルース、どれも最高でした。
解説は付いていませんが、歌詞カードにはコードとカポの位置が記されています。