サはサイエンスのサ
まず、とり・みきの表紙イラストがとても良い。ってヲイ。
本書は15年『SFマガジン』で続いている同名のエッセイを単行本化したものであるけれど、そこはアップデートが常に必要な科学知識に係わるエッセイ、ということで、ほぼ書き下ろしといっていいくらい全面的に手が入っています。私はだいたい毎月『SFマガジン』を購入していますが、再読という感じは全くしませんでした。なので、『SFマガジン』読者にも(読者にこそ)お薦め。
さて、ネット上のスラングをもとりこんだ口語調の文体で語られる本書の内容は、SF者にすら過激と感じられ、まして非SFファンにおいておや。クローン技術に対する嫌悪感に疑問を呈し、環境問題については「この温暖化って政治物語をマジに信じると、なんだかイヤンな世界になりそうだなあと思うからだ。SF的に。」といって地球温暖化のメリットとデメリットを比較するような内容は、まず善良な一般大衆(悪意を込めて)には受け入れがたいのでは?
しかし、本書が紹介するような知見と著者のような視点は、社会のありようを考える際には必ず必要とされるもの。それこそ、耳にいたいような「不都合な真実」をわきにおいといて、それでいて正論をふりかざすような議論は事態をミスリードするだけではないでしょうかね。なので、私は学生さん(とくに文系)にこそ、本書を読んでもらいたいな、と思うのです。(でも信じる必要はありませんけどね。)
ところで。本書のとり・みきの表紙イラストのすばらしさは、本書を読了後にこそ解りますから。
とりったー (リュウコミックス)
エッセイマンガで、とりさんが抜きん出ているのは
出来事との絶妙な距離感だと思う。
政治や宗教、特に自分の身近なことに対して
人間は、ついつい、枝葉にとらわれて感情的になり
根本の問題を見逃してしまいがちになるけれど
とりさんは見逃さずにギャグに転嫁して見せてくれる
もうずいぶんと長く追いかけているけれど
衰えるということがない。
少ないページでキッチリ描き切る腕前はすでに職人技です。
もう一つびっくりするのが、
この期に及んで、絵がうまくなっていること。
阪神淡路大震災の時、
「圧倒的な現実を前に作家は、立ちすくむことしかできない」
と語ったのは誰でしたか。
とりさんは、3月11日の震災に直面しての心境を、セリフを使わずに
圧倒的な画力を持って描ききって見せています。
テキストの人かと思っていたのに、本当は絵の人だったのですね。
タキタさんが出ていなくて、少しさびしく感じましたが、
補って余りある内容でした。
続きが読めると嬉しいです。連載の再開を祈っています。
追伸
このマンガを読んでいる時、
森見登美彦の小説を読んでいる途中だったので
いい年をして、頭の中が
オッパイでイッパイになってしまいました。
THE IDOLM@STER BEST ALBUM 〜MASTER OF MASTER〜
収録されているトークが、いらないという意見もありますが、個人的にはドラマCD感覚で聴けたのでOKでした。
アイマスSPを買う前に、このCDでアイマスソングの復習をしてみてはいかがでしょうか?
THE IDOLM@STER MASTER BOX I&II
MASTERBOX1とMASTERBOX2に収録されていた歌、及びカラオケ176曲が収録だそうです。
特にMASTERBOX1は現在では入手困難なのでこれは嬉しい!
自分のようにXbox360版から入り、BOXの存在を知った頃にはもう遅かったなんて人は結構いるはずです。
ただしBOX1とBOX2の内容が全て入っているわけではなく、ブックレットやDVDなどは入ってないようです。
(ブックレットにはスタッフからの一言や歌詞、DVDには全曲分のダンスが収録されていました)
というわけで既に両方のBOXを持ってる人も安心して買うといいんじゃないかなっていうか言うまでも無く買ってるんじゃないかなって思う
WXIII 機動警察パトレイバー [Blu-ray]
この作品が公開された当時(というか、劇場ではなくレンタル。それもVHSで観たんですが)は、大して面白いとは感じませんでした。
2時間近く観て、特に何も残らなかったいうか。
ですが、改めて観てみると、これが実に面白い。
映像的なクオリティも高く、背景の描きこみ一つとっても、とても2002年に公開された作品とは思えないレベル。
観ている側のほうが「これ、いくら製作費かけたんだ」と怖くなってしまうほどです。
媒体がブルーレイになって画質が向上している部分もあるんでしょうが、今年公開されたアニメと言われても信じてしまいそうです。
何故、同じ作品に対する自分の評価が、過去と現在でこうも違ってしまうのかというと…。
当時の自分は、もっと特車二課の面々を前面に押しだした群像劇を求めていたからかもしれません。
観たといっても、単に画面を眺めていただけで、本当は観ていなかったというか。
正直、同時上映されたミニパトのほうが、よほど楽しめた記憶がありますから。
ブルーレイ化されなければ観なおす事もなく、「1と2は好きだけど、3は外れだったな」という印象も変わらなかったと思います。
もちろん、つまるつまらないは、個人の趣味や感覚による部分も大きいですけど。
他の方が面白いと言っても、自分でつまらないと感じればそれだけの事ですから。
確かに、ゆうきまさみ氏の漫画版をメインにしたwxiiiも観てみたいという気持ちもあります。
そうしておけば、ファンの評価はもっと高かったでしょう。
ですが、個人的には「これもありだな。観て良かったな」という感想に落ち着きました。