短歌パラダイス―歌合二十四番勝負 (岩波新書)
現代の歌人20人が熱海の旅館に集まって、歌の真剣勝負!二手に分かれて、一対一で優劣を競い合うのです。これはかなりきつい(ですよね?)しかも、勝負の前にお互いにディベート合戦。ほめたり、けなしたり。
あなたならどちらの歌を選びますか?すばらしい歌の数々を目にできると同時に、解釈や鑑賞のしかたも味わえる本。臨場感あふれ、スリリングな一冊です。
悪への招待状 ―幕末・黙阿弥歌舞伎の愉しみ (集英社新書)
「三人吉三」は、七五調の独特の台詞回しや、因果応報とでも言えばいいのか、複雑に入り組み破滅へと向かう人間関係など、見ごたえのある、歌舞伎の中でも好きな演目のひとつ。
「悪への招待状」は、現代の若者を幕末の江戸へ連れて行き、その「三人吉三」を鑑賞しながら幕末江戸文化を楽しむ…という人形浄瑠璃(?)の筋立てとなります。
生真面目なイメージをもっていた江戸時代の、その頽廃的な様子。幕末という激動の時代に生きながら、遊びを楽しむ江戸人たち。そして「三人吉三」に出てくる小悪党たちの魅力。
この本のおかげで「三人吉三」はもとより、歌舞伎を観る楽しみが増えた。