秋津温泉 [DVD]
VHSバージョンでは冒頭タイトル以外、無惨にビスタサイズにトリミングされていた本作、待望のシネマスコープ版初ソフト化です。
成島東一郎の見事なキャメラが漸く、居ながらにして堪能できるようになりました。
松竹ヌーベルバーグという枠組みではどうしても埋没しがちな本作ですが、本作は個人的には60年代の日本映画ベスト・ピクチャーの1本だと思っています。
切っても切れないある男女の悲劇を描く藤原審爾の大衆メロドラマが原作である本作、メロドラマの劇的効用を最大限に生かしつつ、戦中から戦後に至る日本人の精神の変遷を描出するという壮大かつ高尚なテーマに挑んで、後世に残る画期的成功をおさめました。
この映画で特段、素晴しいのは、日本現代音楽の至宝であった故・林光が作曲した音楽です。お仕着せのメロドラマという制約を逆手にとって、悲劇的な人間の情感の抑揚を、考えうる最も適格な音符で表現したと、言えるほどのもので、これも日本映画史上、最高の映画音楽の一つだと今でも感じております。
モーツァルト:フルート四重奏曲全集
この曲は難しいと思います。技巧的には平易なのですが、フルートがソロ楽器になってしまうと全然面白くありません。曲想も華やかで典雅なのですが、若干深みに欠けるきらいがあります。解釈によっては薄味の演奏になりかねません。
さて、このCDですが、上記のこの曲の欠点を補って余りある演奏だと思います。二コレの引き締まったフルートの音色が滋味につながっています。そして、4人とも名手であり、室内楽にも精通しているのでしょう、程よく自己主張して程よく溶け合って、室内楽を聴く喜びを感じさせてくれます。お勧めの1枚だと思います。
花より男子 [DVD]
公開当時は、「白鳥麗子でございます」(松雪泰子主演)と
同時上映だったため、短い時間にエピソードを詰め込んである。
また、原作もあまり進んでいなかったので
(というより、原作があんなに長く続くとは誰が予想しただろうか)
ストーリーは中途半端な印象。星二つマイナス。
キャストに目を向けると、
主演の内田有紀の弾けたかわいらしさが全開だ。
藤木直人(類役)の影の薄い美少年ぶりや、
谷原章介(司役)の「オレ様」演技も楽しめる。
個人的には、チョイ役で出演していた藤原紀香に、
道明寺椿を演じていただきたかった、と思うのはわがままか。
超時空要塞マクロス マクロス・ザ・コンプリート
マクロスをリアルタイムで視聴していた世代にとってはたまらない、心に響く、最高のCDです。どのメロディーを耳にしても、名場面の数々が思い出されます。コンプリートの名に恥じない・・・
と言いたいところですが、残念ながら、最終回、最後のシーンで使われていたピアノ曲(劇中では、途中からミンメイの歌声がフェードインしました)は収録されておりません。サントラをこよなく愛する方のために。99点。