ダンタリアンの書架 (1) (角川コミックス・エース 84-3)
アニメを見て、興味を持ったので コミックスも買いました。
どんな感じかなーと様子見みたいな感じで読んでみたら…
まず、作画が凄く上手で、おおっ!となりました。
ライトノベルのコミカライズって、何となく画面が白っぽい印象のものが多いなと思っていたのですが…。でもこれは、ずしっと重く、黒い…ダンタリアンの書架の雰囲気がとても良く出ていると思います。
そしてダリアンも可愛い!これは、買って正解です。
Another (1) (角川コミックス・エース 170-5)
少し前に発売された綾辻氏の新作『Another』のマンガ化
当時は「ミステリーとホラーの融合」などと言われていましたが漫画では学園ホラーまっしぐらのようです
ページのほとんどが黒でベタ塗りされたようなところもあり恐ろしさがよく伝わるのではないでしょうか
マンガ化に際し既読者なら疑問に思う点があるでしょうがその点は上手く描き分けているといっていいと思います
絵は非常に綺麗です、まだ物語が序盤なので登場人物はそれほど多くはありませんがそれぞれ個性的に描かれています
特に見崎鳴はエヴァの綾波レイのごとくミステリアスな部分をかもしだしていると思われます(表紙のように)
ホラーの部分に対してクスリと笑わせるところも多少ありマンガとしても成り立っているのではないでしょうか
ところどころにある伏線も自然に挿入されています(一部割愛されたようなものもあるようですが)
原作未読者の方でもいわゆるボーイ・ミーツ・ガールなマンガとしても十分楽しめるのではないかと思います
その手のダーク系ラノベ等が好きな方には自信を持ってお勧めできるストーリーです
ただし多少グロかったりエグい描写が今後は増えてくるので苦手な方は注意が必要です
また桜庭氏のGOSICKのような展開を期待しているかたは肩透かしを食らうかもしれません
巷ではアニメ化されるとの情報もあり、楽しみな反面トリックの部分はどうなるのかと…
そういったことも含め期待を込めて星5つです
バガボンド(33) (モーニングKC)
武蔵については槍の宝蔵院の辺りが、私にとってはどうしてもピークに感じます。「命のやり取り」のあの戦いは名場面として記憶に残っています。
以降は強くなった故の「強さとは何か」「なぜ人は斬り合うのか」という内省的な話が中心となってきており、それが鼻につく感じがあるのです。著者のあとがきもまるで修行僧のようなことを書いており、人によっては疑問を感じるでしょう。
絵は確かに上手いのですが、私は一応剣道二段なので、剣の握りの不自然さをよく感じます。手を絞らずに開いたまま無造作に剣を振り回すために、画面に緊迫感が無くなっているのが惜しい。これは有名な武蔵の二刀流の絵と比較してほしいところです。この差は実際に剣を握った人でないとわからない点だとは思います。
ただ、静止画はレベルアップしているのは感じますが、小次郎の橋の上での立ち回りは、まるでコマ送りでも見るかのように人物の躍動感が感じられません。丁寧な描写を重視するあまり、動きのある本来のマンガ的な絵が苦手になってきている印象も受けます。
絵の描写とともに最後をどう描くか展開も難しくなってきており、ここで休載した作者の悩みも伝わってくる気がしました。
このマンガは原作があまりにも有名なので、どう表現して読者を引きつけるかはモロに作者の力量が問われています。そこを乗り越えてブーム的な一時代を築いたとも言えるマンガでしょうが、初期の緊迫感を保ったまま終焉を迎えてほしいと願うばかりです。