ザ・タイガース 世界はボクらを待っている [DVD]
1986.7年頃に日本テレビ系で放送された番組「人気スター、マル秘あの場面」
という番組でコメンテーターとして出演していた徳光和夫氏が世界はボクらを待っている
のワンシーンを観て「今観てもさっぱり解らない映画だったが、あの頃もファン以外
さっぱり解らない映画だった。」と発言していてそれ以来非常に内容が気になって
しょうがなかった。
自宅からわりあい近いところにあるレンタルビデオ店に何度もリクエストをしてみたが
まったく聞き入れてもらえなかったし、ビデオテープのほうも絶版になっていたため
諦めていたが、今回DVDが発売されてうれしかった。
内容ははっきりいって、世界B級SF映画ベストテンあるいはカルトSF映画ベストテン
の上位に必ず入るような内容で、同じ時代に海外で制作された2001年宇宙の旅など
に比べると月とすっぽん、ご近所SFという感じなのだ。
しかし内容は面白くて興味深い部分が多く、今も現役で芸能界で活躍するザ・タイガース
の元メンバー達の若かりし日の姿が見られたり、60年代のファッションや風景など
記録映像としては超1級だと思う。
最後にこの映画全体にいえることは少女マンガの世界感を実写映画化したって事だろうか
コスプレシーンもあるし、案外アキバ系の人たちに受ける要素があると思う。
なつかしアニメ・ソングセレクション2~EDテーマ編
うーん、最初の「なつかしアニメ・ソングセレクション」で収録した曲と、アニメの観点から見て「一対になっていない」曲がありますね。確か、「なつかしアニメ」の「1〜4」それぞれと一対になるED曲はこちらにはありませんね(-_-;)。それと、こちらの「19」は、対となるOP曲が「なつかしアニメ」にありません。
この点を考えるとこんな評価かと…もし全部の一対ができていたら5つつけていましたよ(苦笑)。その意味でこちらへの追加希望曲を述べると、「なつかしアニメ」の「1:行け行け飛雄馬」と対で「友情の虹(byジ・エコーズ)」、「2:タイガーマスク」と対で「みなしごのバラード(by新田洋)」、「3:アタックNo.1の歌」と一対の「バン・ボ・ボン(by伊集加代子)」、「4:あしたのジョー」と一対の「ジョーの子守唄(by小池朝雄)」、「12:マクロス」と一対の「ランナー(by藤原誠)」、「16:忘れられたメッセージ」と一対の「やさしさをありがとう(by山本百合子)」、この6曲です。
ロング・グッバイのあとで ―ザ・タイガースでピーと呼ばれた男―
友人にタイガースのファンがいますので、ピーこと瞳みのるさんが
慶應を出て学校の先生になられたことは伝え聞いていました。
この本もその友人に頼まれて購入したのですが、彼女も別途入手したということで
それほどの興味もないまま読み始めましたが、意外なほど面白い本でした。
正直、国語教師(厳密には漢文・中国語教師で国語教師ではないのかもしれませんが)
にしては、文章そのものも全体の構成も、いまひとつかなと感じましたが
それでも飽きることなく全編を読み終ました。非凡な人生を語るドキュメンタリーとしての面白さ、
そして、瞳さんの文章は名文とはいえなくとも、人に思いを伝える力があるのだ思います。
持って生まれた運命などと人は簡単に言いますが、人生は自分の意志で変えられるということを
実感させてくれる得難い本です。瞳みのるさんの類まれな意志の力に敬意を表するとともに、
タイガースが再結成され、前述の友人とライブに参加できる日を期待しています。
ザ・タイガース 華やかなる招待 [DVD]
シー・シー・シーのナンバーから始まる映画のオープニングが格好よく、
とてもユーモラスでこれから何かおきそうな予感を感じさせた。
前作の「世界はボクらを待っている」に比べると、ザ・タイガースのメンバー
のファッションがより洗練されておしゃれになっていると思う。
また、ファッションに限らず小山ルミさん演じる画学生とレストランの店員を
演じる久美かおりさんの住むアパートがとても可愛くて住んでみたくなった。
(そこに転がり込んだザ・タイガースのメンバー達のエプロン姿がおかしかった)
田舎から逃げるように上京したザ・タイガースのメンバーを連れ戻そうと追いかけてきた
高校教師役がなんと2代目水戸黄門様役だった西村晃氏、水戸黄門シリーズの中では
一番好きだった黄門様だったので一寸うれしかった。
長髪・エレキを不良の象徴として大人達が止めさせようとしたり、追ってから逃れるために
ザ・タイガースのメンバー達が隠れたのは蒸気機関車が牽引する貨物車両だったり、
いかにも60年代を感じさせるシーンがあったりする。
私立高校という設定なのに校門に○○県立高校となっていたのはご愛敬か(w
前作よりも収録曲がすくなくなっているが、その分ドラマ色が濃くなっていると思う。
ヒューマン・ルネッサンス
今更再認識してどうという事はないが、このバンドの音楽面の幸運はジュリーの中音域に優れた主声、それに匹敵するトッポの高音と自身のベースに重なる深い響きを帯びたサリーの低音があったことである。特に本作ではトッポが自作3、track5,7,12でリードをとるほか、コーラスでも活躍ぶりがひと際目立つ。「出会い、命の芽生え、争い、破滅、荒廃からの再生」と生きる輪廻をテーマにした判りやすい構成。オケを配した典雅な旋律とタイガースの歌唱の調和に魅せられる。全てがいいとは思わないが、守ってあげたい少年の面影を残すトッポの澄んだ声でトリを飾る「廃墟の鳩」がコンセプト通りなのは当然として、ヒット曲「青い鳥」が不思議なほどピッタリでいい感じだ。それ以外の聴き所としては、やはり前述の声のハーモニーが活きたtrack1,2,3,6,10を挙げたい。
楽器演奏や曲創りの能力はこの際無視してもいいと思う。残された音楽が聴くに値しないなら何にもならないから。彼等がプロのクリエーターの舞台で踊っただけに過ぎなかったにせよ、本作は彼等なくして存在しなかったのもまた事実。背景を知らなければ、あるのは音、ただそれだけ。そしてここに残された音は賢明な判断による賜物と言える。