大人の流儀
そもそも読後の感想をここに投稿すること自体が
『大人の流儀』を読み込んだのか?と
お叱りを受けるような無粋と知りつつ
少し考えを述べさせていただく。
週刊誌に掲載した文章が時間を置いて読んでも色あせていないことが
伊集院さんの魅力をあらためて教えてくれると思う。
相手との距離の置き方や、自分自身との向き合い方などでは
本文のエピソードを通じていろいろなヒントを教えてくれるが、
結局は「自分の生き方を決めるのは自分なのだよ」と
諭されているような気がした。
山口瞳さんの『礼儀作法入門』や
池波正太郎さんの『男の作法』が好きな方であれば
本書を読んでいて、心の波長が比較的合うのではないか?
もっとも、あれこれ作法を講釈するような本ではない。
手にしやすい語り口調、価格設定、サイズでもある。
日ごろは伊集院さんの文を読んだことがないという方が
本書を買い求めて新幹線に飛び乗るような感覚で
軽く手にして、軽く読むのも良い出会い方の一つであろう。
星紀行
1987年、薬師丸ひろ子ファンにとっては、記念すべき年であった。
スクリーンでしか会えなかった彼女に、生で会える、それもコンサートで!
その1stコンサートのために書かれた楽曲のアルバムである。
アルバムのタイトルは、漢字3文字で続いたシリーズの第4弾。
「古今集」、「夢十話」、「花図鑑」、そしてこの「星紀行」。
前3作が、映画のイメージをそのままに、ファンから少し遠いところで、
恋愛物語を歌っている印象だったのに対し、このアルバムは、すごく距離が身近になる。
作詞は、10曲中7曲が伊集院静で、そのカラーがメインとして強く反映されている。
7曲目の「ギンガムシャツに書いた勇気」の作曲は、スタレビの根本氏、ライブでの盛り上がりを予め想定したようなアップナンバーだ。
8曲目「日差しのステディボーイ」では、♪好き、好き、つぶやく♪というような、それまでの“薬師丸ひろ子像”にない直接的な歌詞で、可愛らしさが全面にあふれている。
9曲目「夢の中へ」では、究極の直球ラブソング・バラード。男性ファンの心はこれでメタメタだ。
しかし、あえてこのアルバムで秀逸とお勧めしたいのは、4曲目「風と光に抱かれて」の一節。
♪明日のことは誰にも分からない でも不安に思わない♪
当時は、この歌詞を奥深さを感じることはなかったが、この言葉は、年を重ねた今、とても心にしみる。
もし、薬師丸さんが今後ライブをすることがあれば、このアルバムの素晴らしい楽曲を、ぜひ拝聴したい。
初戀(初回) (CD-EXTRA仕様)
とにかく完成度が高い!
1stアルバムもよいのですが、シングルで出た曲以外でそんなに印象に残るものはありませんでした。
しかし、こちらのアルバムは、『花結び』『風の凱歌』等、かなり気に入った曲がたくさんありました。
林明日香さんは今3つのアルバムを出していますが、このアルバムが一番良いと思います。
いねむり先生
いい本だったなと思う。
先生のお守りをしているように感じていた主人公があることをきっかけに、
自分は先生に守られていると感じる瞬間は、その光景はもとより、小説でしか味わえない言葉のすばらしさをも感じさせてくれた。
行間から湧き出るぼんやりとしたやさしさは一体どこから来るのだろう。
著者だけでなく、先生だけでなく、登場人物たちのそれぞれの人としてのやさしさなのだろう。
機関車先生 スペシャル・エディション [DVD]
子供の数が少ない小学校とは言え、言葉を話すことの出来ない先生が赴任してきたらどうだろう?
考えさせられた作品でした。
原作本を読むと、もう少し映画の中で深く表現してもらいたかった部分も多々あるのが残念でした。
坂口さんは映画初主演でこの役。でも言葉で表現できない分、表情がよく動いていて役者としてこの後の色々な役柄に非常にプラスになった作品だろうと思いました。