スキップ (新潮文庫)
普段、十代の若者たちと生活していると、自分の年齢を忘れてしまうことがあります。自分の目に映る彼らのように、自分もいつまでも若いまま、はりのある肌、若々しい姿でいるような錯覚に陥っています。そんな時、ふと鏡を見て、年相応にふけている自分の姿をしげしげと見るとき、、、そう、真理子さんの気持ちが少し想像できる気がします。肉体の上には否応なく時が刻まれていくのですが、心とか精神にはあいかわらず希望に満ちた向こう見ずな若いころの記憶や思い、人を狂おしく思う気持ち、そんなものが鮮やかに焼き付けられているのです。そんな心と体のバランスの隙間を『スキップ』させてしまう、まるで手品のような物語。一度読み終えても、何度も読み返してみたくなる、名作です。
ターン [VHS]
失礼ながら、私の中ではすでに「過去の女優」だった牧瀬里穂が、魅力的に見えたので、嬉しいような懐かしいような気持ちでした。ラストシーンの、雪の中で、長い眠りから目覚める彼女の瞳はまるで澄んだ湖面のよう・・なんて思ってしまいました。ただ、やはりあのパキパキした、カツゼツのハッキリしすぎたしゃべり方が、どうもあまり好きになれないのが残念。
お話は幻想的でなかなかです。異次元(?)にたった一人取り残された彼女と、現実世界に住む男性との不思議なコミュニケーションがロマンチックでした。でも、数々のプロットになんだかあと一工夫、あと一押し欲しいんだよな、と、映画が終わったあとで思わせる作品。
リプレイ (新潮文庫)
人生を何度も何度も繰り返す。
一度として同じ人生は無かった。
一度目のやり直しは痛快だった。
そして、二度目、三度目、四度目はどうだったか?
たとえ人生をやり直しても、人の心までは変えられなかった。
まして、歴史を塗り替える事なんて、全く不可能だ。
人生のやり直しが出来るなら、さぞ楽しいだろうと想像してしまうが、
この作品が語るところでは、あまり楽しいとは言えない。
やはり、人生は一度限りであるところに、価値があるのだと感じる。
やり直しが可能な人生とは、こんなにも猛爆としているのか。
物語の展開も大変面白いし、結末も十分に納得出来る。
この長編作品で、著者は「リプレイ」について、綿密な検証を行ってくれた。
我々は、一度しか無い人生を、納得の出来るものにしなければならない。
ターン 特別版 [DVD]
私は、高校生のときにこの原作を読みました。ヒロインさんの、何て綺麗なこと!(容姿じゃなくて、立ち振る舞いとか言動とかです)もちろん、映画でもそのよさが存分に楽しめます!映画、本を読んでいる間は、ヒロインさんのことが好きになってました!(笑
繊細な物に触れたような感じで、最後の目を開ける瞬間には、私は涙していました!心から、「良かったね」と言ってあげられる気持ちになりましたしね♪
「純愛」とかよく耳にしますが、一言では言い表せないです!是非、観てほしいです!
オレステス [DVD]
いきなりステージに雨が降っている。どうなっているのか、すごい。全編を通しても結構雨が降っているのだ。 舞台の転換はなく、人物の心の中を描くように物語は進んでいく。 しかしながら『不幸』が長すぎる。悲劇だから仕方ないが、かなり重い。そして雨の音でセリフが聞き取れない所もあるため、途中、ダレる。 でも会場全体、客席までステージ化してるスケールはうれしい。 そして、実は、お目当てだった藤原竜也はもちろんだが、殊に中島朋子がすごいのだ。何かが降りていたのだろうか。素晴らしい!!激うま!!。予期せぬ宝を拾った感じで大絶賛だ。