月の光
ただただ美しいです。たまにお茶目な音もありますが。
シンセサイザーでクラシックをこんな美しく表現できるのかと驚きました。
現役で聴かれた方はこちらが元祖なのでしょうが、TMNetworkあたりからシンセサイザーを目の当たりにしてきた者としては新鮮です。
以前から伝説としては冨田勲は聞いていて気になっていたのですが機会がなく今更の反応で申し訳ない。
一曲の長さが短いのがちょっと残念
源氏物語幻想交響絵巻・完全版
日本の誇る作曲家であり、先進のデジタル音楽、サラウンド音楽の草分けであり、現在も第一人者である冨田勲。来年80歳を迎えるとは思えない、エネルギッシュかつクリエーティブな創造活動には驚嘆する。
その中でもこの源氏物語幻想交響絵巻は98年に初演発表後、オーケストラと和楽器の演奏による源氏物語の音楽絵巻によるイメージ世界でグローバルに大きな感動を呼んだ。2001年には人形作家ホリ・ヒロシ氏の人形舞とのコラボで延暦寺根本中堂での上演を行っている。これは2004年にはDVD化され、上演も今日まで継続されホリ氏にとっても代表作となっている。昨年の5月1日サラウンドの日NHKBS特番でも完全版のプロトタイプでの映像作品が放送された。今作のラベルもホリ氏の人形写真。
こうやって常に作りこんできたこの作品を80歳を前に最新技術と京言葉の語りを取り入れた、より深い作品表現で完全版として仕上げたものである。オーケストラスコア、和楽器作曲、デジタル音源作曲とデータ作成そしてそこに関わる交渉、調整にいたるまですべてを一人でこなす超人冨田勲。世界の宝と言える芸術家でありクリエーターの最先端にあるといえよう。
作品内容は、源氏物語に触発されたイメージの世界。例えれば、R・コルサコフのシエラザード、R・シュトラウスのツァラトウストラはかく語りき等のような印象音楽。シエラザードも後にバレエとして再構築され今やバレエ音楽と思っている人も多い。この源氏物語幻想交響絵巻も実演+人形またはバレエなどのパフォ―マンスによるオペラになっても素晴らしいと思う。いや冨田氏が最新デジタル技術にこだわって完全版にしたのだから、3DHDとライブ演奏による映像作品化で後世に残したいはずだ。震災後の日本にはそういうことへの投資の元気がないが、是非早く立ち直って実現したいものだ。
思えば、源氏物語が生まれた平安時代に起きた大地震が、千年後に再び襲ってきた。この千年間に源氏物語はここまで成長した
。それは平安時代に噴火した富士山の溶岩流の上に育った樹木が青木ヶ原樹海にまでなったことにも重なる。
最後に、このハイブリッドディスクを鑑賞するならば是非サラウンドで聴いて欲しい。
「惑星」のレビューにも書いたが、サラウンドでこその冨田ワールド。二万円のサラウンドセットでも充分に浸れる。冨田氏はサラウンド音楽の素晴らしさを子供たちに受け継いで欲しいと願っている。この作品でも緻密に設計されたサラウンドならではの異世界への導かれる感覚は、是非体験して欲しいし、この喜びとクリエーティブの可能性を次世代がさらに磨きをかけて行きたい。
NHK想い出倶楽部II~黎明期の大河ドラマ編~(5)天と地と [DVD]
僕は今、中一です
戦国史が好きで、上杉謙信が好きなので
買ってみました、するとすごかったです!
69年代の大河ドラマなのに近年の大河ドラマにも負けない迫力!
石坂浩二さんと、高橋幸治さんの一騎打ち
中一でも分かりましたおそらくあれは
大河ドラマ史上でも最高の名場面です
惑星(プラネッツ) Ultimate Edition
この作品がSACDとして蘇る、というだけでワクワクしたものですが、実は何箇所かで音も差し替わっています(たとえば金星のハミングとか)。私自身も、最初の音が出てくるまで心配でしたが、全篇を通して違和感もなく、ほぼオリジナルのままの宇宙旅行を楽しめます。
先頃出版された『レコード芸術』誌6月号のインタビューの中で、ご本人は1977年の同作品を封印したいとか(嘘でしょ!)。
そういえばかつてNHK-FMの第5夜の中で「僕の意志とは関係なく、奴ら(コンピュータ)の意志の方が前面に出てしまい・・・」と語っていましたが、このアルバムを聴いているとき、その事を思い出しました。「当時はこの音を使いたかったのかなぁ」って。
ジャケットなどは大幅に差し替わっていますが、アナログ時代の音がそのままクリアになり、それがSACDのサラウンドと合わさってサウンドクラウドを形作っています。だから旧惑星ファンもご安心を(もっともファンなら、それと関係なく手にしていると思いますが・・・)。SACD復活のためにも、ぜひサラウンドで味わっていただきたい(残念ながら我が家はまだSACD2chです)。
とにかくびっくりしたのは、低音のすさまじいこと。1曲目の火星からズーンと体に響いてくる低音は、今までに体感したことがありません。まさにSACDの恩恵ではないでしょうか。残念ながらDVD-Aは自然消滅気味ですが、これからは是非とも全作SACD化を実現してもらいたいものです。
来年、氏が80歳を迎えるに辺り、過去の作品群をSACD化するプロジェクトISAO TOMITA PROJECTが立ち上げられました(「coming soon 」として月の光、展覧会の絵、omnibus album (宇宙幻想・大峡谷etc)がと予告されています)
レコード芸術 2011年 06月号 [雑誌]