友だちのうちはどこ?〈ワイド〉 [VHS]
イランが世界に誇る巨匠アッバス・キアロスタミの代表作。イラン北部の小さな村を舞台に繰り広げられる牧歌的であり大人の世界を少し覗いてしまう少年による成長の一日。友達のノートを誤って持って帰ってしまった少年が、そのノートを返そうと友達の家まで右往左往する様子をドキュメンタリータッチで淡々と進ませていく。道ににたむろするおじいさんおばあさん。忙しく家の仕事をするおばさん。突然路地から現れる大きな牛。数々の困難から少年は成長してゆく。子供からの視点でカメラはそれらの出来事を克明にとらえる。右へ左へ折れるジグザグな丘に開かれた道をひたすら友の為に走る、あの少年の姿が目に焼きついて離れない。
友だちのうちはどこ? [DVD]
初めて観たイラン映画。
いきなり、見たこともない生活空間が広がり
これこそ映画の醍醐味。
景色や、言葉や、風習を見ているだけでも
とても興味深い。
映画は、タイトルの通り、友だちのうちを探す物語。
そういえば、こないだまで、日本にも携帯はなかった。
その前は電話だってなかった。
もちろんインターネットだってない。
何かを知ろうとするときは、人に聞くしかなかった時代が
自分にもあった。そう、子供時代だ。
聞くことが不安な子供時代。
大人が別の人間に見えた子供時代。
その大人の理不尽さ。習慣という規則。
芥川龍之介「トロッコ」にも似たような不安な感情。
子供の表情があまりにも上手で、
「早く早く!」って思ってしまった。
映画とは、知らない世界を知ること、
知らない町を垣間見ること。
数時間だけでも、体験できることができる。
本当に素晴らしい。
友だちのうちはどこ?【字幕ワイド版】 [VHS]
ジグザグ道3部作の第1弾です。
宿題をちゃんとノートにしてこなければ退学にする、と言われた友だちのノートを間違えて持って帰ってしまった少年がなんとか友だちにノートを返そうと家を探し回る、そんなストーリー。
まず、はじめの教室のドアだけを映したシーンが微妙に長くていい感じ、先生が来る前の教室はあんなものでしょう。家に帰ってからノートに気付き、お母さんに「返してくる」と言っても、「宿題が先」「宿題しなさい」「しないとぶつわよ」と言われるトコは万国共通だなぁ、と。イラン映画なのに昔の自分を思い出すみたいなトコがいい。道々の大人たちがまともに取り合ってくれない場面は、もう社会の縮図ですね。もちろん他人同士なのでプライオリティーが違ってくるのは仕方ないんで!すが・・。
好きなシーンは、少年が返しに行く途中で、丘、というか小さい山みたいな場所を一人かけるシーンがあるんですが・・映されている映像の8割が丘で、あと2割に少年と空が映っていて、その空が、サイコ―にリアルでした!
あぁ、なんて言うんだろう・・・・あの曇り具合は日本の空です。そして、むかし僕が見上げたことのある空でもあった。