アストロ球団 (第3巻)
二巻のレビューで「プロデビューの一球目の出来事」と書きましたが、
三球目の出来事でした。お詫びして訂正いたします。
さて、いよいよ「アストロ球団」本編ともいえるビクトリー球団編に突入だ!!
この巻において、「アストロ球団」という作品の真髄が明らかになる。
699ページ(697ページの次の次)をご覧いただきたい。
球六のアンドロメダ大星雲打法を、大門が受け止めるシーンだ。
まず、アンドロメダ大星雲打法がどういう打法かがまるでわからない。
技の名前を叫ぶだけ。
そして大門はそれをどう返すか。「何かしゃべる」のである。
真知は即ち行たる所以なり
行なわざればこれを知というに足りず
未だ知りて行なわざる者あらず
知りて行なわざるは ただ是れ未だ知らざるなり
喝~~~~っ!!
喝~っはともかく、これは大塩平八郎にも影響を与えた、王陽明の言葉である。
漢文調の難しい言葉なので、なんとなく読み飛ばしてしまいそうだが、
ちょっと考えると、このシーンには全然合わない言葉だとわかる。
で、大門は打球を跳ね返す。何故?結局、根性なのか?いや違う。
アストロ球団は、突出した変な場面のみが有名だが、実は「言葉」のマンガである。
「どっちが強いか」は、「どっちが強い言葉か」で表される。
決着のほとんどは、実は言葉の応酬で決まっているのだ。
きわめて論理的なマンガといっていいだろう。
その論理が正しいかどうかはともかく。
地道な論理も積み重ねれば宇宙の果てへ届く。
「突出した変な場面」と「論理の積み重ね」は、実は同じ一本の道でつながっているのだ。
凡百の、単なる変な思いつきを変につないだ変なマンガとは異質な、
まさに創造力の極北を、この三巻で堪能したい。
夢よ、舞いおどれ!!/グッドエモーション(DVD付)
待ちに待ったハイスタのなんばさんの復帰CD、沖縄に住んでるって経験がこうさせたのかもしれないけど、メロコアではなく、フュージョン系?って思わせるような心地よいサウンド。それに、日本語で歌ってます(はじめてのチュウ以来?)ハイスタのイメージからは、ちょいと拍子抜けするけど、こっちも歳いったし、雰囲気には納得。生活のBGMにはいい感じです。ハイスタフリークはとりあえず買いのCDじゃないでしょうか?
アストロ球団 第五巻 [DVD]
私が小学校の時に、少年ジャンプで連載されていたマンガの実写版です。
伝説の名投手、沢村栄治の魂を宿した体にボールのアザを持つ9人の超人たちが、アストロ球団というチームを作って、メジャーリーグに挑戦すべく立ち上がるというストーリーなのですが(まあ、南総里見八犬伝の野球バージョンでしょうか。)、当時は、毎回、登場人物の色んな秘話が出てきたり、思い出話が出たりで、一球投げただけで一話が終わるという展開の遅さだけが話題のマンガでした。
それが、どういうわけか、アニメではなく、最近、実写版でやっていると知り、さらに、ナレーター兼出演者としてあの古田敦也さんなども出ているということで手に取ったのですが、他にも66歳の千葉真一御大も相変わらずお元気で、飛んでいるヘリコプターの上に身を乗り出して大見得を切ってました。
ただ、時代設定が昭和47年の割には、出ている役者が今どきの8頭身の平成の若者だったり、そのくせ、超人たちのポーズは、原作に極めて忠実に再現されており、「こんな不自然な立ち方あるかい!(笑)」や、CGを駆使した「ありえねー!」プレーの連続だったり・・・。
最初は今時珍しいベタなシーンの連続に、家族で、「これはないよ!」と笑っていたのですが、段々と見ているうちに親子ではまってしまいました(笑)。
やはり、男というのは、こういう「ありえねー」映像にも関わらず、「今どき無いよ!」的なベタな展開であっても、何だかこういうものには理屈抜きに反応してしまうものなんですね。
こんなの現実には・・・なんて考えていても、有り得ない!って思っていても、幼子でさえも段々、口数が減ってくる・・・。
男って、どうにも単純因果な稼業だよな・・・と思わされるほど、理屈抜きに感じる物があった作品でした。
アストロ球団 第三巻 [DVD]
最初、そのベタな展開と有り得ない設定に、「有り得ねー!」って感じで、殆ど、少林サッカーを見るような目で見ていたのですが、段々、その非合理的な練習方法や精神力というものを見ているうちに、無条件で感動して来ちゃいまして・・・。
それをみていてつくづく思ったのが、「今の日本人は妙にお利口さんになってしまったな」ということでした。
戦時中の見事なまでの精神主義への反動なのか、あの時代の持っていた、泥臭い、「がむしゃらさ」というものが、見事なまでに身の回りから消えてしまっていることに気が付きました。
「巨人の星」では、年端もいかない子供に大リーグボール養成ギブスなんてのを、飯を食うときにさえ付けさせてたし、「男ドアホウ甲子園」は、鉄の球を投げて、肩を鍛えてたし・・・。
今、そんなことをしたら、二昔前の言葉で言うところの、ナンセンス・・・ってやつですよね。
「ちゃんと、ストレッチしなきゃ、危ないよ」なんて言われたりして・・・(笑)。
でも、我々が子供の時代は、それを何の抵抗もなく見てましたよ。
理屈じゃないんだみたいな・・・。
思えば、私も「精神力!」などと言われるたびに、反発していたものです。
思わず、忘れかけていた昭和を思い出させてくれた逸品です。
俺達は明日を撃つ!
R&E(リズム&演歌)を掲げる怒髪天のニューシングル。
辛い時、迷ってる時に聴くと、もうひと頑張りできる、そんな曲だと思います。
アストロ球団応援歌(絶叫ver.)は本当に絶叫です。