鬼 (日経文芸文庫)
時は平安、物の怪や怨霊、相手を呪う祈祷などが今よりもずっと信じられていた時代。内裏の陰陽寮に仕え、悪鬼悪霊に立ち向かった滋丘川人、弓削是雄、賀茂忠行・保憲親子、安倍晴明ら陰陽師の姿を描いた、短編5編が収められています。
メインは鬼と陰陽師の対決なのですが、ただの妖怪退治の話だけでは終わっておらず、「蒼夜叉」などでも見せてくれた著者独特の歴史を見る目を通して天皇や摂政等内裏の歴史を語り、それとともにそこで繰り広げられる権力を得るため、持ちつづけるための暗闘、競争相手を蹴落とすための権謀術策の数々などで人間のドス黒い面を見せ付けてくれます。
鬼よりも何よりも、人間の欲望のほうが恐ろしいということでしょうね。
メインは鬼と陰陽師の対決なのですが、ただの妖怪退治の話だけでは終わっておらず、「蒼夜叉」などでも見せてくれた著者独特の歴史を見る目を通して天皇や摂政等内裏の歴史を語り、それとともにそこで繰り広げられる権力を得るため、持ちつづけるための暗闘、競争相手を蹴落とすための権謀術策の数々などで人間のドス黒い面を見せ付けてくれます。
鬼よりも何よりも、人間の欲望のほうが恐ろしいということでしょうね。