続・神童
音楽の演奏はテクニックだけではないことがよくわかる1枚だと思いますよ。聴いていると素人耳にも只ならぬ迫力が伝わってきます。残念ながら廃盤となってしまっているようですが、安く見つけたならば是非聴いてみて下さい。
神童
昭和30年代の初頭、鬼神ハイフェッツさえも納得させる程の才能を
持った少年が、未だアジアの片隅でしかなかった日本に存在した。
留学生を送り出す側も迎える側も心のケアまでフォローするノウハウを
知らない中で、神童・渡辺茂夫は何かに追い詰められ、壊れていった。
自殺未遂から脳に障害を残した渡辺茂夫氏は世間からはとうに忘れ去られた
存在ではあったが1999年8月まで存命であった(享年58歳)
この最晩年の茂夫氏と父・季彦(すえひこ)氏の様子がTVのドキュメンタリー
で放映されるのを見た事がある。
少年時代の茂夫氏は、感情を顔や声に表さず、内面を他人に容易に見せない
人物に見えるが、それとは対照的に、晩年の茂夫氏は障害をもちながらも
ヒトらしい表情をしていたと思った。
この父と子は最初の十数年に失った多くのものを40年かけて、
ゆっくりと取り戻していったのだと思う。
持った少年が、未だアジアの片隅でしかなかった日本に存在した。
留学生を送り出す側も迎える側も心のケアまでフォローするノウハウを
知らない中で、神童・渡辺茂夫は何かに追い詰められ、壊れていった。
自殺未遂から脳に障害を残した渡辺茂夫氏は世間からはとうに忘れ去られた
存在ではあったが1999年8月まで存命であった(享年58歳)
この最晩年の茂夫氏と父・季彦(すえひこ)氏の様子がTVのドキュメンタリー
で放映されるのを見た事がある。
少年時代の茂夫氏は、感情を顔や声に表さず、内面を他人に容易に見せない
人物に見えるが、それとは対照的に、晩年の茂夫氏は障害をもちながらも
ヒトらしい表情をしていたと思った。
この父と子は最初の十数年に失った多くのものを40年かけて、
ゆっくりと取り戻していったのだと思う。
神童/幻のヴァイオリニスト~渡辺茂夫
おそらく、分数(子供用サイズ)楽器の音でしょう。弓の短さと不自然なうなりが聞こえます。
不完全な楽器にもかかわらず強い弓圧で精一杯旋律を歌い上げ、感情をぶつける演奏は、ローティーンのものとは思えません。
もちろん、老練な巨匠のものとは違います。
しかし、この魂のこもった火のような演奏は、ヴァイオリンを弾く者にとっては戦慄が走ります。
メニューインやレビンに比すべきまぎれもない天才、「神童」でしょう。
不完全な楽器にもかかわらず強い弓圧で精一杯旋律を歌い上げ、感情をぶつける演奏は、ローティーンのものとは思えません。
もちろん、老練な巨匠のものとは違います。
しかし、この魂のこもった火のような演奏は、ヴァイオリンを弾く者にとっては戦慄が走ります。
メニューインやレビンに比すべきまぎれもない天才、「神童」でしょう。