彩(エイジャ) [DVD]
通称:糖尿病アルバムといわれ、とにかく当時最高のミュージシャンを集めてしかもこの素晴らしいミュージシャン達に注文をつけているからこの2人は世界最高のひねくれ者達の称号に値する。兎に角、チャック・レイニー&バーナード・パーディのリズム隊は目から鱗であるので好きな方は鑑賞する価値あり。
Aja
このたび再発されることになったアルバム、スティーリー・
ダンの『エイジャ』。歴史に残る名盤との評価が確定している、
素晴らしい内容のアルバムですが、私にとっても本当に大切な
アルバムです。
何度聴いたか分からないくらい、繰り返し聴いたアルバム
ですが、聴くたびに新鮮な気持ちにさせてもらえます。この
アルバムを作るときに、“まず曲を完璧に演奏できるようにする。
そして、今度はそれを余裕を持って演奏する。一分の隙もない
作品ではなく、偶発的な要素のある自然な感じの作品を目指した”
という通り、これだけの完成度でありながら、決して窮屈に
なることなくリラックスして聴けるという、とんでもない作品です。
スティーリー・ダンは1971年に結成された5人編成のバンド
だったのですが、1974年のアルバム『Pretzel Logic』以降次々と
メンバーが抜け、以後はドナルド・フェイゲンと、ウォルター・
ベッカーの2人のユニットと呼んでよい構成で活動をしています。
スティーリー・ダンは2人の作る曲を、出来るだけ2人の理想の
形で録音するために、様々なセッション・ミュージシャンを招いて
録音します。そのスタイルの一つの到達点がこの『エイジャ』なのです。
曲作りの初めはシンプルな曲であり、その譜面をもってスタジオに
行き、そこでセッション・ミュージシャンが音を肉付けすることで
素晴らしい曲が出来上がるというプロセスをとっていたそうです。
ですから、スティーリー・ダンの録音に参加するミュージシャンは、
必ず譜面が読めないといけないそうです。
アルバムの出だしを飾るのは、重いベース・ラインが特徴的な
『Black Cow』です。このベース・ラインは超クールだと思いますが、
Lord Tariq & Peter Gunz の『D'j' vu』でサンプリングされて、
大ヒットになりましたね。サビの天に舞い上がるようなメロディが
素晴らしいです。なんとなくスカイ・ハイ・プロダクションの作る
音に近いですよね。ちなみにブラック・カウとは、ルートビアと
バニラアイスで作った飲み物で、スティーリー・ダンの2人が
子供の頃によく飲んだそうです。
そして、アルバム・タイトル曲の『エイジャ』です。ウォルター・
ベッカーが「エイジャはセッション・マンを使ってやりたかった
ことの、最も成功した例だ」と言っていましたが、ロックとジャズが
シームレスに溶け合ったこの曲は、聴いていると思わずため息が
でるような洗練があります。メロディも一筋縄ではいかず、聴き
飽きることがありません。
私の大好きなバンドの名前にもなっている『ディコン・ブルー』は、
ラリー・カールトンのギター・プレイが素晴らしい1曲です。曲の
雰囲気はどことなくディコン・ブルーの曲に似ていますね。
当時流行していたベース・プレイ、“スラッピング”が収録されて
いるのが『ペグ』です。スティーリー・ダンの2人はスラッピングを
使わないでくれとベース・プレイヤーのチャック・レイニーに
頼んだのですが、チャックはこの曲には絶対にスラッピングが合うと
考え、2人の目を盗んで、隠れてスラッピングを録音し、それを2人は
気付かなかったというエピソードがあります。また普通グルーヴを
出すためにはドラムのベースのアンサンブルが大切なのですが、この
曲ではバス・ドラがシンコペートしていて、ベースとほとんど重なって
いません。それでいてグルーヴを作り出しているというところが
凄いところでもあり、ユニークなところでもあります。
そしてラストは『Josie』です。ベッカーは、この曲はマイナー
ブルースを基調にしていて、このアルバムで一番演奏するのが
楽しい曲と述べています。また、典型的なスティーリー・ダン・
サウンドとも言っています。この曲ではちょっと変わったベースが
聴けるのですが、それはベーシストのチャック・ベイリーが、
ベッカーに渡された8小節の譜面をアレンジして作り上げたとのこと。
オリジナリティ溢れる素晴らしい作品です。
ダンの『エイジャ』。歴史に残る名盤との評価が確定している、
素晴らしい内容のアルバムですが、私にとっても本当に大切な
アルバムです。
何度聴いたか分からないくらい、繰り返し聴いたアルバム
ですが、聴くたびに新鮮な気持ちにさせてもらえます。この
アルバムを作るときに、“まず曲を完璧に演奏できるようにする。
そして、今度はそれを余裕を持って演奏する。一分の隙もない
作品ではなく、偶発的な要素のある自然な感じの作品を目指した”
という通り、これだけの完成度でありながら、決して窮屈に
なることなくリラックスして聴けるという、とんでもない作品です。
スティーリー・ダンは1971年に結成された5人編成のバンド
だったのですが、1974年のアルバム『Pretzel Logic』以降次々と
メンバーが抜け、以後はドナルド・フェイゲンと、ウォルター・
ベッカーの2人のユニットと呼んでよい構成で活動をしています。
スティーリー・ダンは2人の作る曲を、出来るだけ2人の理想の
形で録音するために、様々なセッション・ミュージシャンを招いて
録音します。そのスタイルの一つの到達点がこの『エイジャ』なのです。
曲作りの初めはシンプルな曲であり、その譜面をもってスタジオに
行き、そこでセッション・ミュージシャンが音を肉付けすることで
素晴らしい曲が出来上がるというプロセスをとっていたそうです。
ですから、スティーリー・ダンの録音に参加するミュージシャンは、
必ず譜面が読めないといけないそうです。
アルバムの出だしを飾るのは、重いベース・ラインが特徴的な
『Black Cow』です。このベース・ラインは超クールだと思いますが、
Lord Tariq & Peter Gunz の『D'j' vu』でサンプリングされて、
大ヒットになりましたね。サビの天に舞い上がるようなメロディが
素晴らしいです。なんとなくスカイ・ハイ・プロダクションの作る
音に近いですよね。ちなみにブラック・カウとは、ルートビアと
バニラアイスで作った飲み物で、スティーリー・ダンの2人が
子供の頃によく飲んだそうです。
そして、アルバム・タイトル曲の『エイジャ』です。ウォルター・
ベッカーが「エイジャはセッション・マンを使ってやりたかった
ことの、最も成功した例だ」と言っていましたが、ロックとジャズが
シームレスに溶け合ったこの曲は、聴いていると思わずため息が
でるような洗練があります。メロディも一筋縄ではいかず、聴き
飽きることがありません。
私の大好きなバンドの名前にもなっている『ディコン・ブルー』は、
ラリー・カールトンのギター・プレイが素晴らしい1曲です。曲の
雰囲気はどことなくディコン・ブルーの曲に似ていますね。
当時流行していたベース・プレイ、“スラッピング”が収録されて
いるのが『ペグ』です。スティーリー・ダンの2人はスラッピングを
使わないでくれとベース・プレイヤーのチャック・レイニーに
頼んだのですが、チャックはこの曲には絶対にスラッピングが合うと
考え、2人の目を盗んで、隠れてスラッピングを録音し、それを2人は
気付かなかったというエピソードがあります。また普通グルーヴを
出すためにはドラムのベースのアンサンブルが大切なのですが、この
曲ではバス・ドラがシンコペートしていて、ベースとほとんど重なって
いません。それでいてグルーヴを作り出しているというところが
凄いところでもあり、ユニークなところでもあります。
そしてラストは『Josie』です。ベッカーは、この曲はマイナー
ブルースを基調にしていて、このアルバムで一番演奏するのが
楽しい曲と述べています。また、典型的なスティーリー・ダン・
サウンドとも言っています。この曲ではちょっと変わったベースが
聴けるのですが、それはベーシストのチャック・ベイリーが、
ベッカーに渡された8小節の譜面をアレンジして作り上げたとのこと。
オリジナリティ溢れる素晴らしい作品です。
彩(エイジャ) [DVD]
このDVDは自分でも笑ってしまうくらい繰り返し見ている。と云うのも、単に彼らの音楽の
ファンとしても、自分でも演奏するアマチュアミュージシャンとしても大変に興味深い内容が
一杯だからだ。まず関係者は総出演。裏方のG・カッツとR・ニコルズまで出演している。
有名なサイドメンのD・パークスがプールサイドであの「Josie」のカッティングを弾いてくれる。
R・マロッタはあの恍惚の表情で「Peg」のグルーブを叩く(私の一番のお気に入り)。
C・レイニーはレコーディング秘話を語りながらベースを爪弾くが、そのときにミスタッチで
大きなノイズが出る(名人でもこんな事があるんだ)。S・ダンの2人はコンソールをいじり
ながら曲をプレイバックしトラックごとの音を取り出して聞かせてくれるが、そこからまた
新しい話が展開されていき、何か大きなドラマを見ているようだ。この他にも有名なゲストの
インタビューやデモ演奏などで盛りだくさんだが、ストーリーの合間に入っているニュー
ヨークの景色がとても美しく、S・ダンの曲と上手くまざりあっている。
ファンとしても、自分でも演奏するアマチュアミュージシャンとしても大変に興味深い内容が
一杯だからだ。まず関係者は総出演。裏方のG・カッツとR・ニコルズまで出演している。
有名なサイドメンのD・パークスがプールサイドであの「Josie」のカッティングを弾いてくれる。
R・マロッタはあの恍惚の表情で「Peg」のグルーブを叩く(私の一番のお気に入り)。
C・レイニーはレコーディング秘話を語りながらベースを爪弾くが、そのときにミスタッチで
大きなノイズが出る(名人でもこんな事があるんだ)。S・ダンの2人はコンソールをいじり
ながら曲をプレイバックしトラックごとの音を取り出して聞かせてくれるが、そこからまた
新しい話が展開されていき、何か大きなドラマを見ているようだ。この他にも有名なゲストの
インタビューやデモ演奏などで盛りだくさんだが、ストーリーの合間に入っているニュー
ヨークの景色がとても美しく、S・ダンの曲と上手くまざりあっている。
彩 ~Aja~
ラジオで聞いた人も多いと思うけれど、とても切なく心に響いてくる曲です。
前作ほどの迫力はないものの、どちらかというと昔のサザンっぽい曲。
1回聞いただけでは好きになれないかもしれないけど、聞けば聞くほど心に染みていきます。
前作ほどの迫力はないものの、どちらかというと昔のサザンっぽい曲。
1回聞いただけでは好きになれないかもしれないけど、聞けば聞くほど心に染みていきます。
彩(エイジャ)
完璧主義のご両人の最高傑作と呼ばれる本作、聴き所は満載!本作のレコーディングについての二人の解説DVDが出ましたが、何度も焼き直しながら、練り直しながら作り上げたことがよく分かってSTEELY DAN好きにはウラ側をバラしてくれたような気分に浸れるのですが、そこでもやはりJAY GRADON大先生の“PEG”でのソロ(確かにぶっ飛んではいるのですが、彼らしいソロかと言われればどうかなという個人的な印象、こんなソロ誰も弾けませんが…)、そしてかの故JEFF POCARO大先生をして『絶対あんなグルーヴは誰にも出せない』と言わしめたBARNARD PARDIE名誉教授がこれ以上ないリズムを叩き込む“HOME AT LAST”を実際に楽器をやる私としては特に聴き所としたいです。その意味では次作の『GAUCHO』の“BABYLON SISTERS”も相当なグルーヴ、彼でしかなし得ないノリの曲になっており、全体的にも本作よりリラックスしたムードがあり聴き易いです。併せて聴いてみることをオススメします。