紅梅
吉村昭の歴史ものの作品では、主人公の波乱万丈の生き方が描かれ、多くはその晩年までが、淡々と、また生々しく描かれている。その透徹した歴史観・人生観のなせるわざであろうが、その吉村昭自身の最期が描かれたものである。
妻として、作家として、さまざまな思いが当然胸のうちを駆け巡ったであろうが、強い意志で貫かれた作品にしあがっている。
吉村昭の壮絶な死にざま、それを暖かく見守る津村節子・・・たやすい言葉で評価することがためらわれる、感情の発露ともいうべき作品である。 妻である筆者は、吉村昭の一生を作品として完成させたといえよう。
妻として、作家として、さまざまな思いが当然胸のうちを駆け巡ったであろうが、強い意志で貫かれた作品にしあがっている。
吉村昭の壮絶な死にざま、それを暖かく見守る津村節子・・・たやすい言葉で評価することがためらわれる、感情の発露ともいうべき作品である。 妻である筆者は、吉村昭の一生を作品として完成させたといえよう。