ヴィヴァルディ:チェロ・ソナタ集(全6曲)
私は、ヴィヴァルディが、あまり好きではない。しかし、この曲集は1986年録音の独ハルモニアムンディ旧盤とこの新盤ともに、即決で購入愛蔵している。
それ以外のヴィヴァルディCDは四季のビオンディ盤を1枚おざなりにもっているだけである。旧盤と新盤では、収録作品に出入りがあり、旧は2,3,5と手稿本からの3曲であるが、これはパリで刊行された作品14を全部いれてある。
FMで一度聞いて以来、この作品のファンで、特に2と5が好きである。フィレンテェの街角でチェロを弾いていた青年に、リクエストしてヴィヴァルディのチェロソナタを弾いてくれと言ったときでてきたのがこの5番である。ピエール=フルニエが編曲したことがあるので、比較的有名らしい。
伝記 世界の作曲家(1)ビバルディ―バロック音楽を代表するイタリアの作曲家
てっきりビバルディの生涯についての研究書かと思っていたので、文章の量といい、漢字の読みがなに拍子抜けでした。いわゆる中高生向けのビバルディ入門書みたいな本です。かといって内容はお粗末なものでもなく、ビバルディの概観だけを知るにはもってこいの本です。専門用語には、注釈もついており、挿絵も綺麗なので大変わかりやすいです。
時代背景もあわせて説明されているので、実は単純明快なビバルディ研究書なのかもしれません。
ヴィヴァルディ:協奏曲集 四季 / 調和の幻想 第6・8・10番
ヴィヴァルディと言えば、イ・ムジチ合奏団の「四季」と言えるほど代表的な協奏曲です。あくまでも中庸、しかしメリハリがあるミケロッティのヴァイオリンが、心地よく心にしみ通ってきます。ところが!同時に入っている「調和の幻想」がこれまたすばらしい演奏です。作品356番のもの悲しくも揺さぶられた心を現わすヴァイオリンの協奏。買って後悔しない、すばらしい1枚でした。
ヴィヴァルディ:四季
四季については、昔からカラヤンしか持ってませんでした。勿論イムジチは昔から名盤だと知ってはいましたが。カラヤン盤は,チョット重い,暗いといつも感じておりましたが,何故か他の盤を買った事が無いまま、ここ迄来てしまいました。この盤は音質が良いとの評判で,初めて買うイムジチとなりました。演奏は素晴らしい!音質も良いですね!!でももう少し明るい四季をイメージを持っていました…イタリア的な明るい四季をイメージしておりましたが,チョット、やはり暗いな(ーー;)美しいたイムジチ聞きたい!でもこれは名盤である事は,間違えありません!!
ピエタ
18世紀のヴェネチアを良く調べて、町の感じを伝えようとする努力が凄い。ヴィヴァルディーが孤児院に関係していた事は知っているが、性格の良い孤児の娘達に絡んで進む話は、とてもよく描けている。何と言ってもコルティジャーナ(高級売春婦)を取り上げて、物語の中に巧みに織り込んだ手法は見事であろう。
消えた楽譜を追求して、その結果得られたもの、素晴らしい物語に仕上がっている。
ただ一つ、この話は、物事をすっぱり割り切って考えるのが好きな人には向かない。何となくぼやけて、余韻を楽しめる人に、強くお奨めしたい。 折太郎