Northern Lights Southern Cross
本作は、ザ・バンドの諸作品の中で、私が最も好きな、そして最高傑作といってよい作品です。メンバーが焚き火を囲むアルバム・ジャケットに趣があり、収められた曲がどれも魅力に満ちています。本作は(4)や(6)等心に響く佳曲が多く、特に映画ラスト・ワルツでもフィーチャーされていた、情感溢れる(6)は、ロビー・ロバートソンのギター・ソロ等の実に素晴しい演奏はもちろん、故リック・ダンコの歌が古今の絶唱の一つに数え上げても過言ではない見事な出来です。この超名曲のために本作を購入しても損はしない、珠玉の1枚と言ってよいでしょう。
Circle Regenerated
ペトリは、決して巧いとは言えないヴォーカリストでしたが、居なく成ってみると、改めてその存在の大きさに気付かされます。
バンドのカラーリングに大きく貢献していただけでなく、或いは、バンドの魅力そのものだったのかも知れません。
前作『N』は、このバンドの一つの完成形でした。メロデスの範疇の中で、美メロと毒気、そして何とも言えない躍動感をウリにしてきたバンドとしては、
これ以上ない名作であったろうと思います。
それが今作は、ヴォーカルの変更により、前作と似通った路線でありながら毒気が消えてしまい、ポップさばかりが際立ってしまいました。
新ヴォーカリストの特性を生かす為なんでしょうか。一癖も二癖も有る、一筋縄ではいかなかった前作時のノーサーとは、もう違うバンドのようです。
全体的に素直で聴き易いですが、反面味わいの薄れた 『軽さ』 を感じずにはいられません。一瞬ペトリが帰って来たか?と感じるような部分もいくつか有りましたが、通して聴いてみると、似て非なるバンド、といった印象。曲調は似ていますが、味わいが全く異なります。
前作と比較する無意味さを知りつつ、今作は、『N』 を超える事が出来ませんでした。
新生メロデスバンドとして見てみても、ややインパクトに欠ける出来ではないかと思います。
前作で一つの終点に達し、本作を新たなスタートとして、今後は、よりキャッチャーな方向へと進むのかも知れませんね。
次作まで、その結論を持ち越したいと思います。
Death Unlimited
フィンランドのメロディック・デスメタルバンド、ノーサーのレーベル移籍後第一弾。正直な感想を述べると、ヤバい!!!チルボドフォロワーと呼ばれていたNORTHERは姿を消し、完全にNORTHERスタイルを確立した!全体的にきれいめのデスボイスで疾走、疾走、疾走!という感じの正統派メロデスなのだが、パンクっぽさはかけらもなく、ゴシックテイストも取り入れていて素晴らしい出来だ。ボーカルも前回よりいい声だしてるし、ギターソロ、キーボードも打って変わって爆発!リフもいろいろ工夫していて飽きない。今までの欠点を全部うめて、完璧になった今回のアルバムは絶対に買いです。ちなみにオススメ曲は(正直全部オススメなんだけど)、「Deep Inside」「Death Unlimited」「A Fallen Ster」「Going Nowhere」など。 特に「A Fallen Ster」は前作「Mirror Of Madness」を踏襲しながら、ゴシックテイストをうまくまぜこんだ傑作!ぜひ聞いてください!