Tokyo7
慶一さんの突き抜けたヴォーカルが冴える作品群。青空百景からファンの私にとって当時を思い出す程衝撃のアルバムになりました。
ムーンライダーズはお行儀が悪い曲とどなたかのレビューで読んだ事がありますが、まさに雑多で統一感の無さはとても気持ちがいいです!
13のリレー式のヴォーカルは胸が締め付けられるような感覚に捕われ、メンバーの個性とムーンライダーズとしてのチームワークが融合した素敵な曲です。
おじさん万歳!おばさんはどこまでも着いていきます♪
ベランダの岸辺
唯一ひらがなの「のっこ」名義による作品。
ムーンライダースのギタリスト白井良明によるプロデュースで、彼のアコースティックギターを中心に据えた作風。
曲はボサノバ風の落ち着いた曲が多く、ジャケットの素晴らしい絵のように素朴だけど瑞々しい。
厚めの紙が使われた歌詞カードには他にも可愛らしい挿絵があり、CDも盤面いっぱいのピクチャーディスクになっていて所有する喜びがある。
「ベルベットイースター」は荒井由美の、「Travessia」はボサノバの名曲のカバー。
全曲サウンド、曲、歌詞ともに優れていて、彼女の歌もサウンドに絶妙にマッチしている。
多種多様な楽器が使われた「calas」と、スキャットが印象的なボサノバ曲「猫の耳たぶ」は小島麻由美を思い起こさせた。
個人的ベストは「わすれな草」。シンプルで泣けるバラード。
レベッカ好きはもちろん、ジョニ・ミッチェルやキャロル・キングなどのSSWが好きな人にとっても宝物になりうる名盤だと思う。
あがた森魚とZIPANG BOYZ號の一夜 惑星漂流60周in東京 [DVD]
赤色エレジーからいうと、40年近くになるんですかね。ずーっとあがた森魚師と共に昭和から平成へと生きてきた人間としては、感慨深いものがあります。”はちみつぱい”のメンバーやら、”ムーンライダース”のメンバーやら、過去のアルバムに参加した矢野顕子さんやら、入り乱れての懐メロ大会のようで、それぞれの時代を知っている者からすれば、涙なくしては観られません。みんな歳をとったなあ。でも、それを受け入れてこのDVDを観て僕らも頑張りましょうか!
MOONRIDERS THE MOVIE「PASSION MANIACS マニアの受難」DVD+Collector’s Premium CD
言わば日本語ロックの生成に関わった人々が多数登場し、音楽業界という狭い村社会の歴史とその行き詰まりを描いている。
恋する女たち [DVD]
この作品がDVD化されたのは、本当にうれしいです!
単なるアイドル映画でなくこの作品自体の良さをわかってくださる人がたくさんいたんだなあと、自分のことのように感無量の思いです。
でもこの映画は大森監督が素晴らしいという評価が多く、原作者のことは多く語られることがないのが寂しいかぎり。原作は今は亡き鬼才の少女小説家(この表現も本当は間違っていると思いますが、コバルト文庫で出ていらっしゃったので)氷室冴子さんです。この映画の名シーン名せりふはほとんど氷室先生の小説からそのまま引っ張ってきたもので、この小説には一つ一つの文章に魂が宿っているというか、単なる少女小説とは全く違う、青春・恋愛に対する一種の哲学ともいえる中身の濃い名作中の名作です。この映画に感銘を受けた方には機会があれば是非この小説も読んでみていただきたいです。(残念ながら小説はすでに廃盤になっているので、オークションなどでしか手に入れられないと思いますが・・)
そしてもちろんこの作品を映画化してくださった大森監督や難しい頑固な哲学娘を見事に演じた斉藤由貴や小説から抜け出たような緑子と汀子、そして舞台となった金沢の素晴らしい情景がこの映画をさらに味わい深くしてくれているのだと思います。小説では北海道が舞台となっているのですが、映画では金沢が舞台となっています。金沢の凛とした情景がぴったりはまっていて、これは当たりだったと思いました。
昔の青春時代をもう一度味わってみたい人や、今の無気力な若い世代の人たちに、頑固なまでに不器用に青春しているこの作品を見てみてほしいなあと思います。