燃え盡きる (集英社文庫)
清水さんの小説はモデルとなる企業があると思われることが少なくないが、この本は、ズバリ実名ですべてが登場している。主人公は、三菱重工業社長牧田與一郎氏である。牧田氏は三菱重工の社長在任中に壮絶な最期を遂げる。その最期にいたるまでの生き様を、見事に描ききっているのが本書である。経営者とはかくも熱いものなのか。また、その生き方から、人生の再スタートはいつからでも、どこからでも始められるということを、強く感じさせてくれる。小説ではあるが、綿密な取材に基づく半フィクションといえるようなものだけに、説得力は抜群だ。
動脈列島 [DVD]
増村保蔵監督は我が郷土甲府が誇るカリスマ的な監督である。
増村監督の真骨頂を見せている作品は多々あるが、「動脈列島」に関しては社会派
的な作品として作った感が強い。
作品名は知っていたが観た事が無かったので、尻切れトンボ的な最後のシーンが惜し
まれる。
同じ題材を扱った作品としては、東映のアクション映画的な佐藤純弥監督の「新幹線
大爆破」の方が面白いと思う。