裁判長!ここは懲役4年でどうすか [DVD]
豊島監督は「ソフトボーイ」あたりから一本立ちしたイメージだが、東大―AFI(ハリウッドの映像機関)を
経ている「本物」である。
きちんと東宝スタジオにセットを組んで作るなどの「活動写真感」も十分だ。
裁判員制度に関しての映画かな、とおもったらさにあらず。
法廷ウォッチャーたちの目から見た様々な裁判のケースが紹介されて、面白い作品に仕上がった。
ドラマっぽいシーンもあるが、基本的には舞台劇のようなカット割りであり、シーンごとに勝負している感じだ。
それにしても何気なく凄い俳優陣も特筆すべきものだ。
設楽のひょうひょうとした芝居は楽しかったし、螢雪次朗の落ち着き、「ルーキーズ」尾上の溌剌さなど
配役も的確だ。
助演陣はみな「チョイ役」なのだが、鈴木砂羽、斉藤工、平田満、片瀬那奈、堀部圭亮、徳永えり、目黒真希、
モト冬樹、前田健、河崎実監督、そして相方の日村までこれとんでもない豪華キャスティングだと思うぞ。
みな本編でピン主演している俳優たちばかりだからね、これ。
久遠さやかに至っては「飾られてる映画ポスターのモデル」って、よくこれ受けたよなあ(笑)。
特典映像も1時間を超えるボリュームであり、予想通りこちらは笑いの絶えない作りになっている。
メイキングと舞台挨拶集が収録されているが、特に舞台挨拶集はほぼ「フル収録」だ。
バナナマンファンの人は必見だろう。
平田満は他の映画では絶対に喋らないセリフがあるが(笑)、とても楽しそうに演じていたのも印象的だった。
何も考えないで観るのは絶好の作品である。星は4つです。
世にも奇妙な物語 DVDの特別編3
『管理人』...松嶋菜々子主演。マンションの住人から異常なほど崇拝される不気味な管理人
の正体とは!?驚愕で意味深な帰結が見事!怒り心頭の松嶋菜々子さんがまた好かったりする。
『完全治療法』...武田真治主演。2020年の未来に開発されていた衝撃の癌治療法とは!?た...
確かに理に適ってる(笑)。自我が崩壊するような狂気の演出がグー。
『のぞみ、西へ』...中嶋朋子主演。大阪弁を聞くと蕁麻疹が出る女性。だが何としても克服
しなければならない状況!?これは終始むちゃおもろい(笑)。中島朋子さんと鈴木一真くんが
繰り広げる無機質なコントタッチに哄笑の渦。
『女は死んでいない』...杉本哲太主演。ハイスピード且つエスプリ溢れるクライムもの。
脚本・演出・監督を担当した落合正幸意地の一作って所か。よくできてます。また豪華俳優陣
の鬼気迫る演技がスゴイ。。。
『2040年のメリークリスマス』...萩原聖人主演。漫画家になりたい夢を持つ金なし希望なし
の貧乏男のもとにかかって来た一本の電話。それは44年先の未来にいる孫からだった!?
異色の感動作ですね。それにしても萩原聖人くんはうだつの上がらない青年役似合うよなあ。
こっちまで泣けてくるわ(笑)。
裁判長!ぼくの弟懲役4年でどうすか (ゼノンコミックス)
新聞のコミック紹介で知り、購読しました。
漫画家の実弟さんが逮捕されるという内容も珍しいし、肉親の気持ちや裁判官の人柄も細かく描写されていて興味深かったです。
漫画の途中で細かい説明というかコラム(?)のページもあって、読み応えがありました。
私は乱読なので、1時間ほどで読み終わってしまいましたが・・・。
死刑絶対肯定論―無期懲役囚の主張 (新潮新書)
著者は無期囚、過去殺人歴有の人物。
本書は著者が自己の好奇心を満たすべく、多くの長期受刑者に話を伺い纏めたもの。
これによると、驚くべきことに受刑者の多くは、自己の犯した殺人などの犯行について全く反省していない姿が伝わってくる(著者のように悔いている者は極少数という)。
こうした受刑者の言い分は、例えば「泥棒に入っている時に騒がれたので殺されても仕方がなかった」などというとても身勝手なもの。しかも、こうした本音は裁判では口にすることはない(反省した振りをする)点に憤りを感じる。
また、現在の刑務所では出所しても社会復帰できるようなプログラムではないことが再犯を助長している点を指摘しているなど、馴染みのない刑務所や受刑者の実態がよく理解できる。
後半には死刑廃止論議に伴う終身刑の設置について述べられているが、著者の考えに強く共感した。
読了後、やはり死刑は必要だということを改めて確認できた。
犯罪抑止や量刑など犯罪に関する多くの問題意識を投げかける良書である。
反省 私たちはなぜ失敗したのか?
「外交は1に国益、2に国益、3,4がなくて5に国益です」と初めて鈴木議員に会った外交官の佐藤さん(元外務省主任分析官)は仰ったそうです。
本書では、自己保身に走る数々の外務官僚の姿が実名を上げて紹介されており、所謂ムネオ事件の背景(真実)と、マスコミが如何に外務官僚や検察からの偽りの情報リークに踊らされ、我々国民自体もそのマスコミ情報に踊らされていたかを知ることができます。
また、外務省の実情、米国と歴代首相の任期の長さ、冷戦終了後の日米関係の有り方、北方領土問題の変遷、北方領土ビジネスで利権を得る団体等々について、国益をストイックに守ろうと働いてきた佐藤さんと鈴木さんの考え・見立てを知ることができ、
自身の見識を深める上で、他にあまり類を見ない貴重な書籍の一つだと思います。
数々の賞を受賞された佐藤さんの書籍を未読で社会人の方は、ぜひご一読下さい。
追記
後書きで、鈴木さんが読者へのメッセージとして引用されてた、松山千春さんの歌詞を抜粋します
「生きる事が つらいとか 苦しいだとか いう前に 野に育つ花ならば 力の限り生きてやれ」