感性工学と情報社会―「感性工学は情報社会の課題にどう取り組もうとしているのか」
面白そうだが、なんとなくうさん臭そうな感性工学に対して、その問題点を明快に議論し、また、情報社会にどう対応すべきか、という観点から、新しい感性工学が誕生する、との期待がもてる好著。感性工学を学ぶ人たちの必読の書といえる。
コミュニティビジネスの時代―NPOが変える産業・社会、そして個人―
読後、疑問や不満が山積状態である。そもそも事業型NPO(のみ、に近い)を題材として扱う書籍の表題に「コミュニティ・ビジネス」を持ってくるのは適切といえるだろうか。一番引っかかったのは、高名な学者の分担とされる章の中で、とてもその先生が本当に書いたとは思えないような「誘導」にみえてしまうような表現(例えば、パブリック・サポート・テストについてその合格率が現状非常に少ないがゆえにテスト自体が問題であると思わせるような表現をしているところ。問題はテストそのものではなくテストの通過基準等運用方法ではないのか)等がみられるように思えるところである。この分野についてある程度詳しい人が読むぶんには問題なかろうが、もともと知識を持たぬ人が読むとミスリードを招きかねないという点で、良い評価はつけづらい。すべての部分がダメとは言わないが・・・。