黒塗怪談 笑う裂傷女 (竹書房 恐怖文庫)
全32話です。
これまでは人間の恐ろしい話を発表してきた黒史郎氏ですが、今回は初の実話怪談本ということで嬉しい限りです。
ただ、実話怪談に初挑戦したFKB話 怪談実話 饗宴 (竹書房恐怖文庫)に収録されていた3作がとても良いと感じていただけに今作に収録されている話はちょっと弱いものが多いかなぁと思ったのと、後述の理由で☆を1つ減らしました。
しかし、氏の父や祖父といった近しい人間が氏に負けず劣らず変人ばかりな上に、怪談が舞い込んでくるタイプであるため今後に期待大です。
個人的にオススメは、
泣ける話
バチ
たぬき
デパート恐怖症
夜の暖簾
母泥棒
祖父と亀と仏壇と
狭間の壁
黒父3−水溜まり
サユリ
酒癖手癖
です。
〈泣ける話〉〈夜の暖簾〉〈母泥棒〉が特に好きです。
なんだか唐突に終わる話が多い気がしました。読み進めるうちに段々と盛り上がってきて、ここからどうなるんだろうと期待していたらあっさりと終わってしまう。実話なんだから全てにオチなりハッキリとした因果があるとは限らないのですが、ちょっと説明不足とも受け取れてしまいそうですね。
マグマ大使 DVD-BOX 【初回限定版】
映像は思いのほか鮮明なので、その点は星5つ。
一つ減点は、今と違って映像ソフトの二次利用を想定していなかった事情は理解できるものの、やはりオープニングタイトルなど、テロップ入りのものがネガとして現存しておらず、またオリジナル性を損ねるとして、リマスター版にはテロップ入りのものを作成していない点。まあ作るのがもうこれ以上面倒くさい(経費がかかるし)というところだろうか。 初公開のサントラCDも 商品化されなかった理由が明快になるほど、音質が…(それにしても 同時期のウルトラQ,ウルトラマン等に比して、なぜにこれまで 保存状態が悪いのか。。)
まあ それでも CS放送だけでは みられない予告編の一部も見られるので、好きな人は購入しても損はないと思います。
ニューロマンサー (ハヤカワ文庫SF)
<電脳空間>(Cyber Space)。それは特殊な電極(trode;electrodeの略)を使って脳の神経(neuroニューロ)とコンピュータ端末(deck)を接続し、世界を覆い尽くしたコンピュータ・ネットワークの全データおよび全プログラムを頭の中で視覚的・感覚的に再構成した仮想現実。だが、その幻想世界は電子的には実在し、それを構成するデータは現実世界を動かす力を持つ。
いわば<電脳空間>は現実世界とパラレルに存在する情報宇宙なのである。そして、デッキを介して意識をマトリックス(matrix)世界に没入 (junk in)し、ウイルス・ソフトを使って企業の侵入対抗電子機器(Invasion ounter Electric=ICE)を破ってデータを盗むクラッカーたち、それがコンピュータ・カウボーイだ。
物語は、ハイテクと背徳の街、千葉市(Chiba City)から始まる。かつて一流カウボーイだったケイスは、顧客を裏切った報復としてソ連製の真菌毒で神経系に損傷を与えられ、没入のできない身体になってしまっていた。電脳空間での飛翔感が忘れられないケイスは治療を求め、神経接合や微細生体工学 (Micro-Bionics)の先端技術を有する闇クリニックのあるこの都市にやってきたのだが、その期待はむなしく、治療可能なクリニックは存在しなかった。手持ちの新円(New Yen)はみるみる無くなり、チンピラ同然にまで身を持ち崩していた。
そこへ、ケイスに治療法を提供しようという男が現れる。その名はアーミテジ。自分の仕事に加わるなら治療してやると彼は持ちかける。渡りに船と誘いに乗ったケイスだが、仕事を進めていくうちに、アーミテジのターゲットがサイバネティック・テクノロジーによって不死性を獲得した最大最強の同族企業、テスィエ=アンシュプール(T=A)であることに気づく。人間とテクノロジーが融合し、国境を超越したグローバル企業が地球を支配する灰色の世界で、ケイスが見たものとは・・・?
痺れる設定。壮大かつ猥雑な世界観。華麗なイメージの氾濫。電撃的な文体。ジェットコースターのような急展開。サスペンスフルなストーリー。黄金時代のSFロマンを現代に甦らせた「ニュー・ロマンス」。今日の無機質で無国籍で刹那的で得体の知れないネット社会、虚無感と絶望が漂う格差社会を予見した内容には脱帽。
そして何よりも、SF界に「サイバーパンク」という新しいジャンルを開拓した記念碑的作品であり、1980年代を代表するSF。生命とは? 知性とは? 人間とは? 現実とは? フィリップ・K・ディックが提起した問題を、よりSF的に、より現代社会に則した形で問い直したことの意義は大きい。たとえば、遺伝子工学などのテクノロジーが人間の定義すら変えつつある現状を直視し、本書では、サイボーグ、電脳空間でのケイスの意識、ROM人格構造物、AIといった形でこの問題が取り上げられている。
クロサギ DVD-BOX
山下君のちょっと影のある雰囲気がいわく有の黒崎というキャラを見事に実写化していると思います。
本人はもっとお茶目なキャラを得意とし、好んでいるようですが、こういう複雑で微妙な魅力を必要とする役をこなせる俳優さんはそうはいないと思うのです。
演技力+天性の。。。雰囲気というか。。。そういうものが必要!
連ドラのクオリティを超えた実力派のキャスト(ゲストを含め)を得て、さらに見ごたえのある作品になっていると思うし。
私は映画派で、連ドラに対してはあまり期待もなかったのですが、このドラマはコンパクトにまとめたストーリーではありますが、個々のキャラがはっきりしていてその理由ずけも納得できるところとか、割と隙がなく表現されていると思います。
黒崎の他者をシャットアウトしてでも詐欺続ける(意味)も理解できるし、氷柱も相反しながら彼に魅かれる思いも...。
そして、まっすぐすぎる氷柱を演じる掘北真希さんも、彼女以外なら嫌味に感じるのではないかと思える役を彼女のもつ素直で透明なイメージで好感を持って受け止めることができる!
是非、是非続編を作って欲しいとおもう作品です。