不安定からの発想 (講談社学術文庫)
オリジナルは1977年刊行とあるから、30年以上前に著された本である。
著者は航空工学者にしてエッセイストとしても有名な、故佐貫亦男教授。
内容は、前半約3/4を使ってレオナルド・ダ・ビンチからライト兄弟に至る飛行機のパイオニアの略史と、そのなかでなぜライト兄弟が最初の成功者となりえたか、またなぜ兄弟がその後急速に没落したかについて、「安定性」をキーワードとして解説されている。
後半1/4は、工学上の安定、不安定の概念に関連する8編のショートエッセイ集である。
佐貫教授の著書を読まれたことのある方には容易に理解できると思うが、大変平易な語り口(その結果、厳密には正確でない場合もあるが)で「安定、不安定」の概念を説明されており、またそこから工学の専門家でない一般の読者にも有益な示唆に富んだ考察を述べられている。
おそらく、F-16に代表されるCCV(不安定に設計された飛行機を、コンピュータの支援によって安定させて飛行する技術であり、安定な設計に伴う様々なデメリットを解消できる)が実用化され始めた時期に、制御工学を専攻されていた立場から書かれたものと思われるが、その内容は従来の秩序が崩壊し、社会が不安定性を増したように思われる現代において、一層意義を増しているように感じる。
とくに、「安定」に安住することのリスクと、「不安定」のなかに自らの意思で操縦することの意義を説かれた部分は、まさに現在の社会状況に対して発せられた警告の様で、「先生、今の時代が見えていたのかなぁ?」と感じた。
「不安定」というタイトルは、工学的側面のみならず、社会における人間関係なども含めたものを示しており、飛行機にあまり興味のない一般の読者にとってもさまざまな考えるヒントが得られると思う。
個人的には、少年時代にその飄々とした語り口のエッセイを多読したものとして大変懐かしく感じ、未読であった本書を再刊してくださった講談社に感謝申し上げる。
巨富を築く13の条件
すばらしいです。ナポレオンヒルよりも先に7つの習慣を読んだのですが、こちらのほうがわかりやすく素直に頭に入ってきます。(7つの習慣も大好きですけどね)
「思考は現実化する」と比べて格段にわかりやすく、ポイントを絞って説明してくれているので大変フレンドリーな気がします。7つの習慣はどのページにも参考になるような言葉があって詰め込みすぎな感が否めないのですが、こちらは全体としてもコンパクトにまとまっているという印象です。また、7つの習慣は何度も繰り返し読まないと意味がつかみにくい箇所も多いのですがこの本にはそれもありません。1回読めばわかります。何度でも読み返したくなりますけど。
※7つの習慣の名誉の為に書いておきますが、両方とも名著でありすばらしい内容です。また、人生の成功について違った観点で書かれているので内容はナポレオンヒルと完全に別物です。ですのでキングベアの本もあわせて読むことでより多くの気付きを得られると思います。
ライト兄弟 ファースト・フライト 英語版 (日本語簡易マニュアル付)
開発元はSTRIKE FIGHTERSで有名なTHIRD WIREです。
ライトフライヤーを飛ばすことができるフライトシミュレータとしてはMSFS2004がポピュラーですが、どちらかというとおまけ的扱いでした。
このファースト・フライトでは、ライトフライヤーにフォーカスをあてただけあって、MSFS2004よりも作りが丁寧に感じます。
操縦してみると同じ機体とは思えない程MSFS2004と操縦性が異なっています。慣れないうちはまっすぐ飛ばすだけでも、悪戦苦闘する楽しさを味わえます。
バックトラックス-ライト兄弟は空を飛び、ヤング兄弟はリフを刻む(DVD付)
メンバーが全幅の信頼を置いている現在のレーベル(ソニー)の元で、その活動の終盤を迎えつつあるACDCがその歴史を総覧するかのような良質のアンソロジーを立て続けに発表している。映像集「プラグ・ミー・イン」に続く本作は映像と音声が楽しめる作品であり、かつコアなファン、長く彼らを追ってきたファンにこそ楽しめる一品だ。
CD1はスタジオ録音曲で、インターナショナル盤オリジナルアルバムに未収録の作品を網羅している。「ビッグ・ガン」のようにサントラを買えば入手できる曲もあれば、現在廃盤のオーストラリア盤LPにしか収録されていなかったファン垂涎の音源もある。CD2はシングルのカップリングなどでオフィシャルに発売されたライヴ音源をほぼ全て網羅している。DVDは「ボールブレイカー」アルバム以降の全てのプロモクリップを完全収録している。
つまり、ほぼオフィシャル音源とプロモクリップが本作品を手元に置けば入手できるということになる。
しかし、「ほぼ」という言葉を使わねばならない点が個人的には最も残念。
彼らのサイト直販でしか入手できないコレクターズ・エディション(3CD+2DVD+1LP)では「ほぼ」が消えるのだが、国内盤ではそれが消えない。特にスタジオ録音曲では、インターナショナル盤に収録済の曲でも、オーストラリア盤とはミックス(曲によってはギターやコーラスの入り具合、フェイドアウトの尺)が異なるのだが、国内盤は、インターナショナル盤収録曲のオーストラリア盤バージョン6曲はカットされている。ボン・スコット時代の音はどんなものでも全て手元に置きたかった。本当に残念。
「プラグ・ミー・イン」は国内盤は大英断で通常仕様が国外でいうコレクターズ・エディションであった(3DVD)。出来れば、実際に音の出る箱、160Pの写真集、2003年のフルライブ映像DVDなどは要らないが、上記6曲だけはスタンダード・エディションに日本のみの独自追加してほしかった。
ちなみに、本作コレクターズ・エディションは、価格も2万円弱、おまけにアンプ仕様のボックスの送料で更に4000円近くもかかり、喉から手が出るほどほしいのですが、手が出ません(涙)だからこそ、国内盤にもうひと頑張り欲しかったというのが本音。
KKP#5『TAKEOFF ~ライト三兄弟~』 [DVD]
これほどすばらしいものだと思いませんでした。見終わったあとの満足感は最高です。KKPに片桐さんがでないのはどうか…という意見は多いですが、あのキャストだからこそ得られるものだと思います。ラーメンズはラーメンズ、KKPはKKPという何か大きな一線を越えたものを感じました。もちろんラーメンズも最高です!。でもここではあえて「小林さんかっこよすぎる!。」