BURRN ! (バーン) 2008年 11月号 [雑誌]
なかなか強烈な表紙で、BURRN!ならではです(笑)・・・私的には、無縁なのでまあどうでもいいですが。この号は「LOUDPARK08」についてがメインで、参加バンドの特集が組まれています・・・特製ステッカーがついてますよ!!ほとんど知らないバンドばかりの中で、P60〜P62のMSG来日ライブの記事が嬉しかったかな・・・クリスグレン(B)のメタボ状態にはまいりました(笑)。おおっゲイリームーアの新譜広告が・・・もうブルーズどっぷりだから、なかなか手がでないもんなあ。読む記事が少なくなっている傾向にはありますが、生きてる限りこの雑誌を応援します・・・創刊号から買ってると、すごいガサで凄まじい限り(笑)。
ヘリテイジ
今作はかなり方向転換をするという噂があったので、どんな出来になるのか
不安になりつつも期待して待っていました。
まだ聴きこみをする段階まで達していないのですが、よい意味で『デスメタル』と
決別した作品と言えるでしょう。
Damnation (2006年)の時よりも更に自身の過去に聴いてきた音楽が滲みでる、そんな
感じがしています。
凄く音が温かみがあって、アナログレコードを聴くような、そんな印象があります。
楽曲もOPETHの中では一番マイルドな作り、誤解を恐れずに言えば、優しさすら感じます。
70年代のダークなプログレを彷彿とさせます。
個人的には、その楽曲の淡さ加減から、Tai-Phongの「恐るべき静寂」が思い浮かびました。
グロウルを使って歌う箇所は全くありません。
というか、それを使う必要も有りません。
凄く大きな変化をしたと思うのですが、個人的には違和感が全くなく、すっと身体に音が
馴染むと言いましょうか、自然な感じです。
音圧が高まる箇所が皆無というわけではないのですが、それを期待した人にはキツイ作品かもです。
しかしミカエルのバックグラウンドを理解して、それらの音を聴いてから、今作を改めて聴けば
その必然がよく分かるのではないかと思います。
残念なのはKeyのPer Wibergが今作のレコーディングをもって脱退ということなので、その影響が
今後に出ないことを祈っております。
In Live Concert at the Royal Albert Hall [DVD] [Import]
スウェーデンのプログレッシブ・デスメタルバンド、オーペスのライブ作。2010年作
ロンドンのロイヤルアルバートホールでの2010年のステージを収録。
ジャケはDeep Purpleのオーケストラとの共演ライブアルバムへのオマージュ…というかパクり。
よく見ると「Loyal Disharmonic Orchestra」と書いてあり、オーケストラは出て来ないのでご注意を。笑
さて、演奏の方は静と動、緩急を織りまぜたOPETH節ともいうべき見事なもので、
二本のギターが有機的に絡む巧みなリフとフレーズをメインに構成された楽曲に、
Ash Ra TempelのTシャツに身を包んだミカエルのデスヴォイスとジェントルな歌声が絡まってゆく。
派手さよりもむしろ渋さを、モダンさよりも70年代ロック的なレトロな生々しさを絶妙に表現する。
これぞプログレッシブ・デス。過去のアルバムからもほぼまんべんなく選曲されていて、昔からのファンにも嬉しい。
臨場感を引き立てるカメラワークも良好だ。熱心なファンなら3D+2DVDという豪華ボックスをお勧めする。
Lamentations: Live at Shepherd's Bush Empire [DVD] [Import]
前半は幻想的かつプログレッシヴ的に展開されて行き、ワインでも飲みながら、その世界に酔いしれてしまいそう・・・。ミカエルの優しい笑顔に心が癒されます。後半はデスヴォイスと共に、ミカエルの表情も一変、素敵に攻撃的。オーディエンスはヘドバンの嵐!なんでもっと日本で人気が出ないんだろうこのバンド。演奏レヴェルも高いし、(ホントにドラム凄い!)メタルを毛嫌いしている方にも受け入れやすい楽曲だと思いますよ。固定観念にとらわれず、是非アンチメタルの方に見ていただきたいDVDですね。
Heritage (Lenticular Cover)
何度も繰り返し聴いていますが、流石Opeth。
些かの飽きも沸いて来ません。
聴けば聴くほど、もっと聴き込みたくなります。
グロウルが無いとかそんなのはまぁ表面的な事であって、
このバンドの本質では無いと思います。
相変わらず、このバンドにしか出せないサウンド、
このバンドにしか創り得ない曲、手触り、叙情。
唯一無二であり、真の意味でプログレッシヴなバンドだと思います。
質感やコンセプトは全然違うんですが、静謐と叙情のバランスだとか、
僕は何となくクリムゾンの「Lizard」(「Islands」では無く)を想起しました。
来日公演は是非観てみたいですね。
賛否両論にはなると思うけど、このアルバムのみの全曲Liveとか、
観てみたいです。
豊潤なロックの滋養を惜し気も無く注ぎ込んで、とはいえ
「サウンドも70年代風にしました」みたいな表面的な『なぞり』では無い。
やっぱり、Opethは偉大です。