サン・パトリシオ
ケルト音楽の大御所ザ・チーフタンズと、ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブなどで知られるライ・クーダーが組んで、1846年から48年にかけての米墨戦争でメキシコに味方してアメリカと戦ったアイルランド系移民たちがいたという歴史をコンセプトに、メキシコのミュージシャンたちと作り上げたアルバム。
ザ・チーフタンズは、半世紀近いキャリアを誇るが、ハープのデレク・ベルがこの世を去り(来日公演に参加していたトリーナ・マーシャルは今作でも録音に参加しているが正式メンバーには含まれていない)、フィドルの一人マーティン・フェイも引退し、リーダーのパディ・モローニも70歳を越えている。だから、現実的にもゲストなしでアルバムを作るのは難しいかもしれないが、彼らはずっと以前から世界中のミュージシャンと共演してきたから、特に違和感はない。むしろ、この年でも世界を飛び回っているのに驚くし、様々なミュージシャンとの共演でこうした活力に満ちたアルバムを作れるのであればこれからも作り続けてほしいと思うくらい素晴らしいアルバムだ。
音楽的には、アイリッシュ+メキシカンということで想像できるとおり、ザ・チーフタンズがスパニッシュ・ケルトに挑んだ傑作『サンティアーゴ』に似ている。実際、『サンティアーゴ』にも参加していたカルロス・ヌニェスやリンダ・ロンシュタットが今回も参加している。『サンティアーゴ』が好きな人ならきっと気に入るだろう。(その他、『サンティアーゴ』には参加していないが、エンヤの姉でクラナドのメンバーとして有名なモイヤ・ブレナンも参加している。)
なお、輸入盤デラックス・エディションのDVDには、パディ・モローニとライ・クーダーの対談やメキシコのミュージシャンたちとの録音風景が収められている。ただし字幕はない。対談は英語で歌詞はスペイン語だったりするのだから、少なくともその二つの言語の字幕ぐらいはあったほうがよいと思うのだが…。
Introduction To The Theory Of Neural Computation, Volume I (Santa Fe Institute Series)
いわゆる、Neural Network modelの専門書。
著者は物理学者ですので、3章までは物理出身者でないと読みにくいかも知れません(逆に物理出身者は3章までは読みやすい)。
パーセプトロン、バックプロパゲーション、ホップフィールドモデル、自己組織化マップと全てキチンとモデルや原理が書かれてあります。
これらの基本原理、機能に興味がある人にはお薦めします。
大学教養レベルの解析学、線形代数、あとエネルギーの考え方が分かってる人なら読めると思います。
応用については参照文献を読めというのが大部分なのでそちらに興味がある人は別の本にあたった方が良いと思います。
Swarm Intelligence: From Natural to Artificial Systems (Santa Fe Institute Studies in the Sciences of Complexity Proceedings)
よく出来た本だ
非常によい群れの研究をしている。複雑で知的な行動を、オーガナイズなしで簡単な規則と多数の相互作用から出来る事をよく理解できた。
本の原則は社会性のある昆虫のふるまいのモデル化させて、複合システムの設計で前者のモデルを適用させるように考えている。これらのモデルがどうプログラムされてコントロールしているかと言うことにあるようだ。当然、中央集権的なシステムや現象や分配された機能を特徴とするデザインにシフトされていく。
これらのデザインは非常にフレキシブルで強い。環境に素早く順応し、個々の要素が壊れても機能し続けることができる。細胞と似た働きをしている。
また、デザインの発展はソフトウエア 情報 複雑さに成長におもしろいアプローチをかけている。
また、群れの知能は生物学、神経科学、人工知能、ロボット工学や制御、CGなど最新の研究に利用できるのもうなずける。
将来、従来の古典的なテクニックで取り掛かりにくい分野に持って来い!の、明るいアプリケーションだと思えた。
Santa Fe 宮沢りえ
この写真集が出た時の衝撃は今でも覚えている。一種の伝説といってよい。
人気絶頂の20歳のアイドルが 誰しも想像すらしえない中で いきなりヌード写真集を出すという「戦略」は今考えても凄まじい。空前であり 絶後と言ってもよい。
あれから15年余経った現在から 当時を振り返ってみると そんな「戦略」は やはり成功だったのだと思う。
現在の宮沢りえは 演技派女優として 確固たる存在感を持っている。15年前にヌード写真を出したとは思えない。そんな 当時の宮沢と現在の宮沢の「断絶」には大きなものがある。但し その断絶こそが 彼女をアイドルから女優に変身させ その女優人生も長くさせているのだと思う。
言葉通り 「体を張った賭け」だったのだと思う。そうして その賭けには 成功したのだと思う。