地下鉄は誰のものか (ちくま新書)
「猪瀬直樹 道路の決着」で見せた、当事者であり作家の視点で描くノンフィクションというスタイルで、都内の2つの地下鉄、東京メトロと都営地下鉄の統合を訴えた本。「僕は」が文中に山ほど顔を出す著者・猪瀬直樹は本書のほかのレビューを見ても分かるように、好き嫌いがかなりはっきり分かれる。本書は猪瀬と東京都の主張に沿ったPR本的な内容なので反論も多く出るだろう。それにしても、船曳建夫が「学者のように調べ、作家のように書く」と評した猪瀬の着眼点や調査力、プレゼンテーションは本書でも健在。賛否は別として猪瀬直樹の作品として読むと、一元化交渉の舞台裏や営団の歴史の面白さ、担当副知事である著者が国の化身である悪役・メトロをぶった切るストーリーに魅了される。
冒頭の舞台は、九段下駅の都営とメトロが仕切壁一枚隔てられたプラットホーム。いきなり非常口をぶち開け「こんな近いのに、なんで大回りさせられるんだ」と激怒。そして「儲けを客に還元しないのに、不動産投資につぎ込むな!」「乗り継ぎが高いから遠回りさせられてる!」と吠えまくる。そこで「僕は副知事として、メトロの株主総会に行く」ことに。そこから資料33本を含めた怒涛の猪瀬ロジック。「土地の神話―東急王国の誕生 (小学館ライブラリー)」執筆で培った東急の歴史を紐解き、地下鉄はネットワークが構築されるまで投資が回収できない→だから国と都が補助・支援した→今はもう回収段階→でもメトロは今も国に甘えてサービスが悪い、同じ地域で同じ事業をしてる都営と一元化するのが最良のサービス、とのこと。「でも借金1兆円なんでしょう?」「大丈夫」と言わんばかりに都営の財務体質についても「新規着工はないからメトロと同じく回収段階。収益は毎年右肩上がり」と紙幅を割いて説明している。
都営とメトロの乗り継ぎ料金が高いために通勤で遠回りしたこともあるので、私も乗り継ぎ運賃値下げや乗り継ぎ経路の短縮化はしてほしい。本書の言うように経営統合しかないのか判断はつきかねるが。メトロが現行体制を維持したいならちゃんと反論してほしい。何の理由で乗り継ぎに不便を強いられるのか、今のままでは利用者として猪瀬の言い分を聞くしかないだろう。
トレインシミュレーター 御堂筋線
ゲーム自体は御堂筋線そのもの。
天王寺、なんば、梅田、新大阪…といった大阪の主要駅を結ぶ路線だけあって、やりがいがあります。
『地下鉄の運転って退屈じゃないの??』とお思いかもしれませんが、決してそんなことはありません。
御堂筋線は各駅停車です。
地下区間は勾配が多く、気を抜くとあっという間にATC(自動列車制御装置)に引っかかってしまいます(試験では勿論減点)。
そして、地上区間では車と並走する事が出来て、その実写映像のクオリティーは圧巻です。
ただ個人的に惜しいと思う点は、ダイヤが全て千里中央方面(上り)だけだと言う所。(それで★1つ減)
それでも良い出来であることは確かです。
なかもず〜千里中央間を一駅一駅運転しませんか??
『停車を楽しみたい』という方にはオススメです!!