ブラック・スワン デラックスBOX〔5000BOX数量限定〕 [DVD]
まだ発売されていないので、BOX自体が商品としてどうなのかは分かりませんが、
ひとまず、作品自体にコメントさせていただくと、
おそらく、今年観た、またこれから観る作品があっても、
この作品の衝撃はなかなか超せないのではないかと思います。
アロノフスキー監督が、「誰も観たことのない作品を目指した」と何かで語っていたと記憶していますが、
たしかに非常にインパクトがあり、予想できない展開に、なすがままに翻弄されて、
おもしろくておもしろくて!!
また、『白鳥の湖』は多くの人が馴染みがあるので、観客をすぐに引き込み、
初めから終わりまで、美しい音楽とバレエを堪能させてくれます。
バレリーナの華麗な表舞台の裏に、身体を酷使するグロテスクな部分もよく描いて、
観ていて痛みも感じる映像です。
ポートマンのダンスシーンのいくらかは、プロのバレリーナが踊っているようですが、
CGは違和感なくよく出来ています。
ともかく、バレリーナって、鍛え抜かれたその背中の筋肉があまりに美しくて、見入ってしまいました。
ナタリー・ポートマン自身も身体をよく絞っていて説得力があり、顔の印象もバレリーナに合っていて、適役だと思いました。
ラストのステージが始まってからの、その展開のおもしろさ、またステージ自体の見どころ、
クライマックスの見応えが充実していていて、存分に楽しませてくれます!
ブラック・スワンとなって踊るニナの、全ての感情の抑制の解かれた開放感、
そのカタルシスに、見ているこちらも毛穴が開くような心地がします。
作品を通して底に根深く、この主人公ニナの抱える心理的な障害の原因が、母子関係にあり、
ラストは感慨深いところがあります。
演出家役のヴァンサン・カッセル、ライバル役のミラ・クニス、母親役のバーバラ・ハーシー、
主要な脇役3人も、とても上手いです。
音、映像とも凝っていて、細部にこだわりを見ます。
一度目は、ハラハラして観てください!
二度目からは、一度目でドキドキしすぎて見逃したところを発見し、
美しい音楽とバレエを何度でも堪能してください!
(追)発売後のボックスの感想です。
内容物に対して、箱が大きすぎるのが気になるのと、
棚に立てた時、ボックス自体の背にタイトル表記が欲しいですね。
DVDのケースのみで所有するよりは、存在感はあると思うので、
この作品に特に思い入れがある人に、オススメです。
ブラック・スワン 3枚組ブルーレイ&DVD&デジタルコピー(ブルーレイケース)〔初回生産限定〕 [Blu-ray]
まさしく、ナタリーの、ナタリーのよる、ナタリーのための映画。ナタリーにはレオンの子役のころから注目していたが、スター・ウォーズのアミダラが当たり役となって、一時優等生的なイメージが定着してしまった。しかし、そのイメージに安住することなく、最近ヴァラエティにとんだ役に挑戦している。そして遂に決定打が出た、という感じを本作で受ける。
肉体的に厳しい修練に耐え、精神的には迷路に陥って行く、女性ならではの難しい演技も要求される主人公の役を見事にこなしたことを称賛し、アカデミー賞の栄誉に輝いたことを嬉しく思う。
彼女には是非ジョディ・フォスターに匹敵する女優になってもらいたい。それだけのキャパシティがあることがわかる作品だ。
ただ、本作全体の出来としては、ストーリーはよくあるバック・ステージものの類型に留まり、主人公の受けるプレッシャーも要因がはっきりしすぎているのが弱点。
BDと他の媒体の抱き合わせもいい加減やめてもらいたい。
ナイト・オン・ザ・プラネット(吹替版) [VHS]
ジム・ジャームッシュ監督の珠玉のオムニバス映画。
ジーナ・ローランズで始まり、ロベルト・ベニーニを経由して今は亡きマッティ・ペロンパーへと、顔ぶれも最高。
そしてとどめは、エンドクレジットのトム・ウェイツ。
何度観てもまだ観たい、至福の一時。
ブラック・スワン 3枚組DVD&ブルーレイ&デジタルコピー(DVDケース)〔初回生産限定〕
「白鳥の湖」をテーマにした舞台を前に、、
白鳥と黒鳥の1人2役を割り当てられたバレリーナが苦悩する話。
バレエを題材にした話によくある役柄を取り合う話ではなく、
自分の役柄がうまく演じられない主人公が
それについて苦悩し、ノイローゼに陥っていく流れ。
とにかく素晴らしいデキで、プレッシャーと自己嫌悪で悩み、
どんどん現実との区別がつかなくなっていく演出が見事。
これだけたくさんの鏡が出てくるのも関わらず、
カメラがまったく映り込まないだけでなく、鏡を活かした演出も光っている。
主人公が手に入れたい生き様を持った悪友が
徹底して黒い服装、濃いメイクでフェロモンを振りまき、
対する主人公が白い服装を身にまとい、弱気で真面目に過ごす対比も良い。
極端に嫌な登場人物が出てこないシナリオもよくできていて、
主人公は誰かにイジめられているわけでもなく
誰かに騙されているわけでもない。あくまで自分自身で深みに陥っていく。
観ている方も何が現実で何が妄想かわからなくなり、
どんどん主人公と同化していく。その見せ方がとにかく素晴らしい。
まさに白鳥だった主人公が黒く染まっていくよう。
特撮技術の使い方も非常にうまい。
ラストもダラダラと引っ張ることなく、最高の瞬間でスタッフロールが始まる。
後半の1時間から最後の大舞台にかけては
まさに息をのむジェットコースター感を味わえる。強くオススメ。
ヘザース~ベロニカの熱い日~【字幕版】 [VHS]
スライ&ファミリーストーンのケセラセラがカッコイイ。
「オハイオの男はミネラルウォーターは持ち歩かない」この台詞、最高!
ジャッキー・アイドルさんがいうような理由でDVD化されてないのなら
とても残念です。
同じ監督の「アップルゲイツ」も好きだったな。
「好きと言えなくて」「恋する40days」なんかを見ると、あの監督、
こういうシニカル路線やめちゃったのかな。
※後日訂正
ミネラルウォーターうんぬんのくだりは、ちょっと記憶違いでした。
どう違うか、詳しく書くとネタバレになるので、ご容赦。