丘の上の向日葵 (新潮文庫)
確か十数年前に小林薫主演でドラマ化されていた本作。家庭を持つ男性なら一度は考えるであろう(?)不倫の話。ある女性との思いがけない再会から男心に火が着いてしまい…という序盤はありがちながら、事が明るみになり、双方の家庭を巻き込んでのディスカッションに発展していくあたりが山田太一の真骨頂。夫婦、親子、男と女、それぞれの立場で意見を言い合うことで解決を図ろうとするが、理性だけでは収まらないのが男女の仲。全体のトーンとしては、女性陣の現実を見据えた逞しさに比べて、男は子供っぽい夢想ばかりを思い描いている。現実もこんなものかもなと男として身につまされます。
丘の上の向日葵
平凡なサラリーマンが浮気をする。しかし、その浮気相手がとんでもない事情を抱えている。確かに、ありえないことではないが、エぇーこんなことって…という感じ。
家族って一体なんだろう、と深く考えさせられる一冊。