拳法極意 発勁と基本拳
松田隆智最期の書である。
内容は、雑誌『秘伝』を加筆修正したものとなっている。
続刊として「絶招と実践用法」が刊行予定となっている。
本書は、各派の基本を紹介している。
松田氏の解釈は、やはり日本的であるように思う。例えば、
太極拳の玉女穿梭について、かつて「陳式太極拳入門」では、
相手の不意をついて、飛び込んで掌打するとあったが、
これでは、相手の突きか蹴りをまともに受けてしまう。
本書では改善され、用法は、相手に飛び込んで半身で入り、
左手で相手の攻撃を防ぎつつ、右掌で掌打することとなっている。
しかし、中国での用法は、飛び込まず、相手の右手攻撃を自分の
左手でからませつつ下方に落とし防ぎ、右掌で掌打する。避けられたら
立て続けに左掌で掌打することとなっている。
懐かしのテレビまんが主題歌大全集
昔のテレビ主題歌を聴いて「懐かしいなー」と思うのは世代によって違いますよね。このCDに納められているのは70年代半ばから後半にかけて、ちょうど特撮ヒーローとアニメが入れ代わろうとしていた時期の作品です。ですから当時の子供達の中では、『男の子は特撮、女の子はアニメ』なんて感じでキレイに観ていた番組が分かれていたんですよ。もちろんアニメにも男女の区別はあった訳で、この選曲を見ると、おそらく「これは観ていた」「これは観ていなかった」というのがハッキリと出てくるのではないでしょうか。「お兄ちゃんが『空手バカ一代』を観ていた」とか「妹がみつばちマーヤが好きだった」というようにね。ですからここに納められている曲の全てを歌える人は、そんな区別はおかまいなし、筋金入りのテレビっ子だと言えます。だって東京12チャンネルで放送されていた『ダメおやじ』まで歌えるんですからね!
空手道ビジネスマンクラス練馬支部 (文春文庫)
40を過ぎたサラリーマンが少しずつ空手の魅力に魅かれ、少しずつ野生を取り戻し、
少しずつ自分を見つめ、そうして少しずつ強くなってゆく様を、自分のことのように
読ませます。その自身の変化だけでなく回りの主人公への見方が変わってゆくのも
読んでいて気持ちいいですし、空手道場で、同じように強さを求める仲間たちの会話も、
楽しいです。
人は変われるんだと思える痛快エンターテインメントです。
文庫発刊当初に読んだのに、未だに心に残る作品です。分厚さが全然気になりませんでした。
今野敏 沖縄空手 首里手の探求 [DVD]
作家の今野敏先生が主宰されている空手道今野塾で実践されている空手、首里手。DVDを見ましたが、型の動きを分かりやすく映されている点が非常に良かったと思います。現在、自分はフルコン空手をやっていて空手の型についての知識が無かった為に購入しました。もちろん、見て学ぶ為にです。分解組手についても分かりやすく解説されていますので、沖縄空手が総合武道だと言うのを実感できるDVDです。型について知りたい人は買って損はないDVDです。
スタジオジブリ・プロデュース「コクリコ坂から歌集」
宮崎吾郎&谷山浩子&手蔦葵のチームは前作『ゲド戦記』の時から大好きで、カラオケでもよく「テルーの歌」を歌っていました。『ゲド』の映画については、原作を知っている者としてはどうしても色々と気になる点がありましたが、歌については原作者のル・グウィンも評価したというだけある、『ゲド』の苦みのある世界観が美しく切なく表現された素晴らしい出来栄えだったと思います。
と、いうわけで今回もこのチームなら間違いないだろう!と確信し本作を購入しましたが、嬉しいことに買って正解でした。実はジブリの音楽CDを手元に置くのは自分の中ではナンバーワンジブリ作品である『紅の豚』以来でした。
大部分の曲を作曲された谷山さんは、相変わらず清澄で懐かしい感じのする音楽を提供してくださり、宮崎吾郎さんは『ゲド』の時よりはカジュアルな雰囲気の詞が多いですがやはり言葉のセンスが優れておられ、手蔦葵さんはテルーの時より更に歌が上手くなられたなあ〜と感動いたしました。素人が聴いても彼女の成長ぶりがはっきり分かります。リピートして聴いていますが、聴き飽きません。
手蔦さんはポップな曲よりバラードの方が声の持ち味が活きるのかなと思いますが、軽快なテンポの「エスケープ」「朝ごはんの歌」も楽しく聴けました。全曲がっつりと聴きこんで、またカラオケで歌いたいです。
『コクリコ坂』の映画はまだ未見ですが、周りの評判も上々ですし鑑賞が楽しみです。各界、先代が余りに偉大だと後継者問題でどうしても苦労がありますが、頑張って欲しい。羽ばたいてください、吾郎監督!!