無から出た錆
「『私をたどる物語』を卒業式で歌いたい!」と注目されているようです。
でも,僕は「風のひこうき」が卒業の曲という感じがしています。
特に,卒業の日に先生が歌ったりしたら,生徒は涙もの? かもしれません。
最近の曲はいろんな音がありすぎて,少々うるさい感じがします。
でも,このCDが必要最低限の音だけしか使われていません。
ちょっとハスキーな声もいい感じです。
現代人の祈り―呪いと祝い
魅力的な内容が詰まっている。
第三章顔と人格から響いてきたことの一部。
美について。
絵画や造形にとってのよい対象、つまり作家の欲望を喚起するのは形態的に完成しているとかバランスがいいとかでなく、作家が埋めなければいけないような非常に誘惑的な空隙があるということだ。
人間について。
人物判断の基本は声、人間的な成熟度がわかる。(聞きしろの幅)
顔について。
.親鸞の顔の輪郭がぼやけている。身体が細かく割れているのだろう。(精神病者の妄想は極めて定型的で一緒にしゃべるのに退屈する。表情も硬い)身体的ポテンシャルが破格に高く強烈な感化力(共振する能力)を持っていたのだろう。
.赤ん坊や子どもも輪郭がぼやっとしている。
.小津作品の役者の顔の日本人はもうどこにもいない。
ベトナムやタイの映画には豊かな豊かな、もう枠なんかないこっちまで豊かになる顔がある。
.戦後すぐの小学生の笑っている顔は感動的。子どもの口がでかく全身で笑っている。一斉に笑い身体を共有している。
.現代の若者は「こだわり、プライド、被害妄想」で固まっていて表情も硬い。他者と共振する能力が弱まっている。
ドラえもん 映画主題歌集+挿入歌
初期から中期にかけての、映画ドラえもんを支えた影の立役者と言えば
間違いなく、武田鉄也さんと海援隊の楽曲です。
そのどれもが、映画の感動にすっと溶け込むような、深い余韻を
与えてくれる名曲ばかりです。決して時流に媚びることなく、静かに
時には力強く、作品に寄り添うような暖かさを持っています。
ドラえもんの映画はエンドロールの曲を含めて、
一つの作品であったことを今になって強く感じています。
映画30周年記念企画 ドラえもん映画主題歌大全集と合わせて、
彼らのドラえもんに対する愛情、懐の深さを感じてください。
きっと、あなたと彼らのなかの銀河がふれあう音が聞こえます。
二十四の瞳 [VHS]
壷井栄原作の同名小説の映画化。戦中の小豆島の小学校のおはなし。海辺の村で無邪気な子供達と若いおなご先生が感動と微笑みを与えてくれる。しかし、その平和な村にもついに戦争という名の影がしのびよる。感動作。
刑事物語 [DVD]
長かったです…遂にリリースされました。
本作は、ヒロインの境遇や性風俗店の俗称などが原因なのか、他のシリーズ作品より地上波での放送が果たされない傾向が強いので、今回のDVD化には素直に感謝です。このシリーズ、近年は地上波での放映が極めて少ない事もあって、私より若い世代には然程知られている作品とは言えませんが、観た人間にとっては、大変に思い出深い娯楽映画になっている作品かと思います。某サイトでのこのシリーズのDVD化発案が、邦画DVD部門でトップクラスなのもそれを裏付けているかと思います。
記念すべきシリーズ1作目は、主人公の片山元、という刑事の姿を形作った作品と言えるでしょう。よく言われる言葉ですが、片山刑事はウワベだけでない、本質的な優しさを持つ男です。ラストシーンも感動的ですが、個人的には売春で補導された十代の少女に土下座までして愛を説く姿が印象的です。
勿論、以降の作品もDVD化されて欲しいのですが、この「1」のみ版元がサンリオで、以降は東宝さんが所持している、というのがちょっと気になるのです。シリーズのファンだけが楽しむのであれば、衛星放送等でたまに流れた時に録画すればいいのかも知れませんが、もっと多くの人に、若い世代の人にも是非見て欲しい…後世に残したい作品です。だからこそ、新しい記録メディアとして残していって欲しいのです。今このシリーズを見る方法は、衛星放送やケーブルで放映されるのを待つか、磁気テープが劣化したレンタル落ちのVHS、さもなくば時代遅れのLDを探さねばならないのですから。
もう映像記憶メディアが徐々にブルーレイへ移行する今しかチャンスはないかと思うのです。ブルーレイへの移行後、としてしまったら、永久に先延ばしされ続けられてしまいそうな気がしますので。是非シリーズ全作のDVD化を希望します。