情と理 -カミソリ参謀回顧録- 下 (講談社+α文庫)
官僚の世界では自らを自治官僚と警察官僚の両生動物と称し生き抜いた後藤田正晴の口碑の下巻。政治家の世界では田中派から中曽根内閣の官房長官として活躍。政治理念は国内治安ではタカ派、国際安全保障はハト派と実に変幻自在に大正〜平成までを生きた「偉人」のオーラルヒストリーの傑作。上下巻を通読されることをお薦めします。
情と理 -カミソリ参謀回顧録- 上 (講談社+α文庫)
後藤田正晴氏のインタビュー形式の回顧録。当時の考え方などが読み取れる、大変意義のある企画だと思うのですが、一般人向けに文庫として出版する本としては少し疑問があります。
上巻には、戦前からよど号事件くらいまでについて触れられているわけですが、半数くらいの人は当時を知らないわけですよね。この本は、後藤田氏のインタビューを載せているだけなので、当時の時代背景にはほとんど触れられていません。本人には常識でしょうし、インタビュアーである著者も専門家ですから。できれば、もう一分冊くらい増やして、当時の時代背景を補足しながら、話を整理して欲しかった気がします。
…これがオーラルヒストリーだ、と言われてしまえばそれまでかもしれませんが。でも、内容は面白かったです。
彼らが日本を滅ぼす
現在、わが日本国は極左政権によって、近隣覇権国家に売られようとしている。この危急存亡の時に、國を思う筆者の心のそこからの叫びを聴いた思いである。わが国家日本国を守る為に、外交、安全保障をどのように進めるべきかを考えさせられる愛国者必読の書である。